カテゴリー「日高ギター製作日記」の14件の記事

大分が生んだ「日高ギター」の特注ギター製作過程をご紹介♪

2008年2月21日 (木)

ホルスデザインの変遷♪

昨年完成した日高ギター「HOLS(ホルス)」のデザインを、その変遷と共に、忘れないうちにここに記す事にしました。

Hols59_3 これをお読み戴くと、その時々に悩みながら、次第に鮮明になってくる「ホルス」誕生の瞬間を少しでも垣間見て戴けると思います。

日高ギター製作日記も併せて御覧下さい。

http://acoraku.way-nifty.com/blog/cat7745653/index.html
(下側の項目①から順にどうぞ)

●桜案、かぼす案、世界地図案(2006年1月)

Kabosu12006年1月、日高氏に対面した際、その真摯なギター職人としての姿に感銘を受け、彼にギターを作ってもらう事を考え始める。

Sakura01どうせ作るならと、フルオリジナルのギター製作を依頼する為、デザインを練り始めました。
この時点では、一つのデザインに固執せず、色んなパターンを考えていました。

平凡だが、やっぱり日本人の心は「桜」か‥‥とか、大分を代表する農産物と言えば「かぼす」だ‥‥とか、スケールは大きく「世界地図」も素晴らしい‥‥とか、とにかく頭の中にある漠然とした形を、デザインとして表現する事にトライしていました。

●フライングピラミッド案(2006年2月)

Holsdesign01そんな中、僕の大好きな古代エジプトをモチーフにした「フライングピラミッド(空飛ぶピラミッド)案」が浮上してきました。
古代のエジプト(特にピラミッド)は日高氏の興味とも合致し、俄然盛り上がりつつ、何度も何度もデザインを書き直しました。

Holsdesign03しかし、逆に盛り上がり過ぎました。
僕の頭は飽和状態になって、収拾が付かなくなり、次第に行き詰まり、オリジナルデザインを突き詰めていく事に疲れてしまいました。

そしてギター製作の機運は、一旦ここで頓挫してしまうのです‥‥。

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ギター製作計画が頓挫してから、1年程も経過していました。

●エジプト案(2007年2月)

Holsdesign04頭の整理が出来てきた僕は、ギター製作計画を再開する事を決意!
そしてこの際、ピラミッドにこだわらず「古代エジプト」をモチーフに、思い切ってシンプルなデザインを書き始めました。

Holsdesign051年前のデザインから「月と太陽」だけを引用し、12フレットにインレイ等々。
しかし、この時点ではまだまだ、確固たるデザインの方向性が決まっていなかった‥‥。


デザインの再開と共に、製作材の選定・調達も同時進行で始めました。

「製作作業」以外の煩わしい事、時間の掛かる事は僕が出来うる限り担当する事にしました。

Guitarparts結局、サイド・バック材は南米からの直輸入‥‥。
トップ材・ブレーシング材は北米からの直輸入‥‥。
ピックガード材は、鼈甲屋さんから板材を‥‥。
ボコテ材、貴石等の装飾材、シュパーゼルペグ等も買い入れて‥‥。


通常はこのような支給された材料を製作家が使用する事は、ほとんど無いと考えます。
そもそも、ギター製作家が評価されるポイントは「音」と「材」のみだからです。

あくまで僕と日高氏の信頼関係‥‥そして両名のこのギター製作への思い入れの賜と思って下さい。

●イーグル案(2007年3月)

Holsdesign09エジプトの生物の中で、猛禽類、特に雄大な空を流しながら飛ぶ「鷲」が僕は大好き。
だから、12フレットを「鷲(ワシ)」に変更してみました。
そして、「猛禽類」を型どって、ブリッジ形状、ヘッド形状、ピックガード形状と全て「鳥」に変更。

でも、これでも今一歩意味が分かりません‥‥納得出来ない‥‥。

●ホルス案(2007年3月~4月)


Horus_4ヒエログリフだの、ファラオの歴史だの、古代エジプトについて追っているうちに‥‥「古代エジプトの鳥の姿をした天空の神」=「ホルス」に辿り着きました。
この時、上手い具合に頭の中でバラバラだったパズルが、瞬間的に一つの絵になった気がしたのでHolsdesign11す。

今まで描いていた「鳥」のイメージを12フレットに置いたら、そこから舞い落ちる「希望の羽根」が1枚。
満天の星空には三日月が浮かび、何処までも飛び立つ「ホルス神」。
それに、エジプト航空のロゴは「ホルス神」だHoruslogoったのかあ‥‥何と いう事でしょうか!

‥‥ウ~ム、段々とイメージが湧いてきたぞ~♪
ということで、最終デザイン案が、この時一気に完成しちゃった!


しかし、「ホルス神は隼(ハヤブサ)の姿をしている」‥‥と書いてある。
え?「隼」って猛禽類だけど、少なくとも「鷲」とは違うよなあ。一体どんな姿だったっけ?

Hayabusaネットで「隼」の写真を検索して見たら‥‥あ、やっぱり明らかに違うじゃん!
‥‥ということで、「隼」の写真を参考にデザイン画を描いてみる。
翼を広げた隼の写真がなかなか見つからずに苦労したけど、描いているうちに、だんだん似てきたかな。

Holsdesign16_3●隼イメージ案(2007年4月末) = 最終案 = 発注!

最初は「翼を下げて架空している写真」から絵を描いたのでイメージが伝わりにくかった為、「翼を上げて飛び立つ姿」に変更。
Holsdesign18_3日高氏からも「翼を上げた姿が良いです!」と太鼓判をもらい、イメージが固まったので正式発注へ。

Holsdesign23_2この時、ヘッドのコントラスト部のデザインは「波打った形」から、約1年前に考えた「フライングピラミッド案」のイメージ通り、「地球表面と宇宙空間」とのコラボレーションへと回帰した。


このように、ホルスのデザインが完成するまでの軌跡を追ってHols42いくと、「いくつかの偶然が重なった」としか思えない。
もしかしたら、この「符号」は大いなる何かに導かれたのかも‥‥。

●ホルス完成(2007年9月初旬)

そして構想から1年8ヶ月を経た「2007年9月」、はっちゃんと日高氏によるコラボレーションギター「ホルス」がこの世に生まれ出たのである。

Hols41「ホルス誕生」‥‥僕にとって、それは計り知れない「生みの苦しみの産物」であると同時に、「希望」と「感動」を呼ぶ大きな大きな出来事であった。

もしかしたら、この大いなる苦悩の中で「来たるべくして来た運命」の様なものが、いつしか僕を駆り立てていたのかも知れない。


‥‥なんて最近思ったりもする。

Hidaka01そして、何よりもこのギター開発に全面的に協力し、全身全霊を傾注して(しかも安価で)製作して下さった「日高雅樹氏」に、心より御礼を申し上げたい。

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2007年9月28日 (金)

ホルスのヘッドロゴ取付

9月22日、念願の「ホルス」の銀細工ヘッドロゴを取り付けてもらいました!

Hols37_2 以前より「日高ギター製作日記」にてお伝えしましたとおり、日高雅樹氏は、趣味の「純銀細工(シルバーアクセサリ)」で、御自身の名前のロゴマーク「M」を試作していました

日高ギター製作日記
(※一番下の①から順に読んでね!)

このロゴの先端部は、猛禽類のツメのデザインになっており、「ホルス」のコンセプトにピッタリだったのです!
(これはなんと偶然なんだけど、もしかしたら必然だったのかなあ)

ホルスの完成前、日高工房に伺ったときに初めてこのロゴを見せてもらい、日高氏のアイデアで「是非ヘッドロゴにしよう!」と決まったも のの、ギターが完成して取り付ける前に、バランスに不安が残ったらしく、日高氏より「付ける前に確認して欲しい」と連絡が有りました。
だって、取り付けた後には元には戻せないですから。

Hols38_3そもそも、純銀ロゴのアコースティックギターというのは過去皆無と思われるので、全く初めての試みでもあり、また立体ロゴでもあるので、結果を想像も出来ず、お互いかなりの冒険だったのです。

そこで、ギター引き取りの際に、このロゴを現物に置いてみて、ロゴ取り付けを最終決定!
取付け当日、既にロゴマークの裏側には、日高氏による取付用のピンが打ってありまして、それをヘッドに差し込み、しっかりと接着してくれました。

こんなの見たこと無いから、最初は違和感があったけれど、今は付けて良かったと思っています。
Hols36_2
ロゴ一つのこだわり‥‥とは言うものの、これはこのギターにとっては、大切な「画竜点睛」であったろう、と今は思っています。

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ちなみに、「画竜点睛(がりょうてんせい)」とは、そもそも中国の故事から来た言葉。(この際、ちょっと調べてみました♪)

文章や絵画のもっとも重要な箇所に一筆入れ、物事を完成するた為の大切な仕上げ。
また、わずかな工夫で全体が引き立つ事の喩え。
「画竜点睛を欠く」と、逆説的に用いられる場合が多い

中国の南北朝の時代、南朝の梁(502~557)という国に「張僧ヨウ」という、役人であり、将軍であり、さらに名画家であるという、様々な才能を持ち合わせた人物がおりました。

あるとき彼は、金陵(現在の南京)の安楽寺の壁に竜を描くことを依頼され、4匹の白い竜の図を描きました。
その竜は、今にも壁を突き破って天にも昇りそうな勢いがあり、見る人すべてが息を飲む程でしたが、不思議なことに瞳が描き入れられていませんでした。
不思議に思った人々が彼に理由を尋ねると、彼は「もし瞳を入れたら、竜が天に飛んでいってしまうからだ」と言い、瞳を入れることをためらいました。

しかし、人々は信じることができず、是非瞳を描き入れるよう彼に求めました。
そこで彼は仕方なく、4匹のうち2匹に瞳を入れると、たちまち稲妻が走り、2匹の竜は壁を壊し、雲に乗って天に飛び去ってしまったのです。
後には瞳を入れなかった2匹の竜だけが残ったそうです

(また一つ勉強になったはっちゃんでした♪)

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2007年9月18日 (火)

日高ギター誕生10日目

ギター「ホルス」がうちに嫁いで来てから、10日が経過しました。

この春までは、1枚の板だった物から、何故こんなにキラキラした音がこぼれ落ちて来るんだろうなあ‥‥つくづく不思議でなりません。

そして、弦を軽くはじいた時の反応の早さとパンチ、軽いストロークを弾いた時のレンジの広さと長く伸びる余韻‥‥。
毎日弾いては眺め、眺めては弾き‥‥それでも可愛い我が「ホルス」。

Hols26各部の装飾、造りを観察しては、日高氏の繊細な工芸に感心しきり。
自分で言うのも何だが、デザインはかなり練っているから、奇抜な様でなかなか品のあるフォルム。 つくづく良いギターだなあ。

このギターは、日高氏独立後、丁度「30本目」の作。
クロさんのギターが「15本目」だから、それからまた15本作った事になる。
このギターを弾くと、日高氏の進化が伺える‥‥。

私のオーダーギターへの思い入れで、1年以上の歳月を掛けて練ったデザインと、かなり吟味して調達した各部の材料は、日高氏の感性と技術、日高氏がストックしていた良質の材とうまく融合し、調和を奏でているようです。

じつは、このホルスのサイド・バックに使用したハカランダ材は、南米のとある国で、1897年に建築され、1981年に廃棄された古い農場跡地に建築用材として使用されていたもので、つまりは伐採から110年以上は経過している古材。
それを解体し、製材して、ギター材に転用した物であり、乾燥し尽くしている材なのです。

トップのアディロンダック・スプルース材は、USAから手配したAAA材。
本鼈甲ピックガード材、象牙ナット・サドル材等‥‥これらの材を調達する為にかなりの労力と日数を掛けました。

今回、日高氏がハカランダで「ホルス」を作って下さったのは、まずはこのハカランダ材の経歴に御興味があったようです。
個人製作家の方は、材と音が一番評価されるポイントですから、材への御興味は尽きないようです。

これらの事を様々考え合わせると、「はっちゃん&日高コラボは、大成功!」と言って良いのではないでしょうか。

しかし、こうしてホルスを眺めていると、「もうホルス以外のギターは要らなくなるのかもしれないなあ」‥‥なんてちょっと思ったりもするのです。

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2007年9月12日 (水)

タウン誌「CONKA」の取材

Conka0639月8日(土)に、大分のタウン誌「CONKA」から「日高ギター」とバンド「Kulo」の取材を受けました。

「CONKA」(コンカ)とは、大分弁で「来んか(来なさい・来てみて)」の意味。
大分県内一円の書店とコンビニ(ローソン・ポプラ・デイリー)で販売。一部は福岡市内の大手書店で販売されているそうです。 (\300)

★CONKA http://www.conka.com

★CONドル(おおいたページCONKA連動コンテンツ)http://www.oitapage.com/conka/condoll

Conka062_2CONKAを読んでみると、タウン誌とは一線を画す中々センス溢れる内容に驚かされる。まるで、都会のファッション誌の様。

何故このCONKAの取材を受ける事になったのか?‥‥というのが、何ともまたおもしろい。
「日高ギターが取り持つ不思議な縁」とでも言いましょうか‥‥。

次号のCONKAは、「大分の音楽シーンの特集」を企画されており、大分で楽器を製作されている方や、様々なジャンルのアーティストを取材目的としていたらしいのです。

そこで、大分でギターを製作されている日高氏の話を聞き、取材依頼前に色々下調べしていると、検索エンジンで、このブログ「アコギの楽園」がヒット。
「日高ギター製作日記」を読み、日高ギター完成前のタイミングで、私にコンタクトを取って来られたのです。

★日高ギター製作日記 (※一番下の①から順に読んでね!)

(そもそも日高ギター製作日記を書こうと思ってブログを始めたわけではないが、何がどうなるか分からないものだ‥‥)

話によると、「楽器との出会い」というテーマで、「楽器を作る側と、演奏する側との出会いを描きたい」との事。

しかし、日高氏はシャイな方で、カメラが大の苦手‥‥その場はやんわりお断りになったわけです。
そこを記者さんの押しの一手で「はっちゃんのオーダーギターの引き取りの際なら、立ち会い可」という、ある意味強引に了承を得て、この際、予てより興味のあったバンド「Kulo」も取材!ということに相成ったわけです。

Kulo10_4取材当日は、日高ギター工房で「ホルス」を受け取ったばかり。
新しいギターに興奮さめやらぬ中、工房内にて、「大分発の日高ギター」について、試奏しながらのディスカッションが終始和やかな雰囲気で行われたのでした。

CONKA編集長御自身もロックバンドをやってたらしく、ギター製作についての話が盛り上がったのは言うまでもない事。Kulo11_3

日高工房を後にして、CONKAの写真撮影のため、近くの公園でギターを持ってポーズ!(ちょっと照れる‥)

その後、ファミレスでの「バンドKuloの取材」が始まりました。
そもそも「Kulo」のメンバー構成は4名ですが、残念ながら当日は都合によりメンバーが揃わず、私とクロさんのみの出席となりました。

Kulo12ギターを弾き始めた頃の話、仕事しながらも音楽を続ける事の困難さと素晴らしさ、バンド 「Kulo」を組んだきっかけや今後の活動等、多岐にわたる取材には結構な時間を要しましたが、とても心地よい疲れでした。

この取材の模様は、10月16日発売の「CONKA」に掲載される予定になっていますので、大分の皆様、是非手にとって(\300で御購入)戴ければ嬉しいです!

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2007年9月 9日 (日)

日高ギター製作⑩飛翔

<いよいよ対面の日♪>

2007年9月8日:

Newギター「HOLS」が出来たので、大分市の「日高ギター工房」まで受け取りに行きました♪

果たして、出来ていた!!!キレーイ!!! 感動~♪手が震える~♪

Hols05_2肝心の音は?‥‥というと、これが深~い音なのです!
日高さんのギターとしては(?)最初から結構鳴ってるよ。ホントかいな?
クロさんの日高ギターは、1年程弾いて音が出だしたのを知ってるから、最初は全く出ないかも知れないと思ったけど、結構前に出てるよ!

僕はやはり「アディロンダック」と「ハカランダ材」に寄るものかな ~と思い、日高さん に聞いたところ「確かにそれもありますが、ブレイシングの作り方でトップ振動を大きくするよう工夫してます」との事。 Hols16_2

また、レスポンス向上の為に、通常のドレッドノート サイズよりボディ厚を少しだけ薄 くしているので、その分抱えやすいし、音が前に前に出て行く感じ!

普通のドレッドとはひと味違うサウンド!
これが日高ギターの音だぜ!

Hols25ヘッドの銀細工は念のため付けていなかった事は既知の通り、僕はやっぱりロゴはあったほうが良いと思ったので、次回行った時に付けてもらうようにして、今日の所はヘッドロゴなしの状態ですが、それでも中々でしょう?

当日は、大分の情報誌「CONKA」の取材も兼ねていましたので、クロさんと一緒に、その後は大分と別府の3軒のライブハウスになだれ込んだのでありました! Hols33_2

その① 大分「サウンドプール・リバティ」さん!
伝兵衛さんも常連のライブハウスです。
突然二人でおじゃしたのに、丁寧に対応して戴き、しかも悪のりして唄わせて戴きました。
結果、リバティさんが「ホルス」の最初のライブになりました!お世話になりました!

Jyusanya02_3その② 大分「十三夜」(元かぐや姫の森さんのライブハウス)さん!

当日は、女性のセミプロのライブが催されていました。
食事の為に伺ったので、丁度ライブ途中で入って、ご飯食べて直ぐに帰る事になりました。 
森さん、ライブ途中で入ってすみませんでした。

その③ 別府「博堂村」さん!(大塚 博堂ゆかりのライブハウ ス)
いつもお世話になってます!

Hols06_2「博堂村」は、大分出身のアーティスト「大塚 博堂」の甥っ子さんが経営されています。
地元のストリートミュージシャン達の殿堂であり、若いアマチュアバンドを大切に育てられています。プロの方々も沢山演奏されている我々バンド仲間のメッカです。

丁度「懐かしのフォークソングライブ」が開催されており、促されるままに飛び入り参戦!
大塚マスター突然押し掛けてすみませんでした。
それから、ミュージシャンの皆さん、「ホルス」完成を祝福してくださって有り難う!

それから、一緒に行ってくださった「クロさん」、来らHols13_2れなかった「はるさん」 「カドちゃん」「山ちゃん」始め、沢山の方々に支えられて「ホルス」が、今、手の中にあります。

みんな本当に有り難う!!!

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<日高ギター製作日記まとめ>

長いようで短かった約1年半の歳月を経て、私の目の前に出現したNewギター「ホルス」。

まるで「まだ見ぬ恋人」のような、わくわくした気持ちが一段落して、少し寂しいような気もします。

しかし別の言い方をすれば、ここからは、「ホルス」との「新たなる音楽の旅」が始まろうとしているわけです。
「このホルスと共に、私も育っていかなければ」と心に刻みつつ‥‥皆様には、どこかのライブで「ホルス」を見かけたなら是非声を掛けて下さい。 

Hols31そして、手にとって「ポロポロ‥‥」と鳴らしてあげて下さい。
きっと「ホルス」も、そんな出会いを心から喜ぶはず‥‥。

「日高ギター製作日記」を御覧戴きました皆様、完成までアドバイスや励ましの言葉を戴き感謝します。
これからも「アコギの楽園」を末永く、ごひいきに御願いします。

さて、日高ギターの素晴らしさが、少しでも多くの人達に伝われば‥‥と思い、この日記を書き綴って参りました。
そして、もしそのような方が一人でも現れましたなら、
一ユーザーとして、また日高ギター応援団として、Hols32_2れ程幸せな事はなく、大分から飛び立つギターが、やがて「神鳥 ホルス」
のように、世界に大きく羽ばたく日が来ますように、と念じて止みません。
今後も日高ギターの素晴らしさについて、事ある毎にお伝えして参りますので、どうかこれまでの様に温かい目で支えて戴きたく御願いします。

                                  敬具
                       管理人 はっちゃん

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さて、今回「ホルスの音が聞きたい!」とか「動画が見たい!」という様々なリクエス トにお応えして、プレイヤー楽器のライブスペース「Aco Place」にてビデオ撮影し、UPしました。

カオルギター「HEAVEN」も同じ条件で録画しています。
音については、ビデオカメラの内蔵マイクでのHols22生録音ですので、条件はかなり悪いですが我慢して下さいね。
(音質の良いヘッドホンで聴いて戴くと、その違いが分かるかと思います)

結構、それぞれに個性があって楽しい!


① 「Kulo」のギタリスト「はるさん」による試奏! Hols23_2
(はるさん、すみません。突然ビデオ撮り御願いしちゃって)

前半:単音にてリード。
後半:軽いストローク。

「HOLS」試奏ビデオ (無料)
「HEAVEN」試奏ビデオ(無料)


② 僭越ながら「はっちゃん」による試奏! Hols24_4
(要は音が分かりゃいいんだって、かなり適当に、思いつくままに弾いてしまった‥‥今ではちょっと反省) 

前半:アルペジオ。
後半:強めのストローク。

「HOLS」試奏ビデオ (無料)
「HEAVEN」試奏ビデオ (無料)

「HOLS」のビデオ中で聞こえる「イヨッ、ホルス!」って声は、我がバンド「今日もラーメン」の山ちゃん。

よろしければ、御試聴戴き、是非コメント下さいませ!

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<御礼と御願い> 

ブログ「アコギの楽園」を御覧の皆様へ毎度、ブログ「アコギの楽園」を御覧戴き、心より御礼を申し上げます。

さて、このブログをお読み戴き、御意見、御感想等がございましたら、遠慮なく下記メールアドレスまでお知らせ下さい。

Post01r 御意見、御感想等のメールはこちらへ

ブログ「アコギの楽園」は、皆様の暖かい御指導と御支援により支えられております。

                               敬具
                        管理人 はっちゃん

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2007年9月 4日 (火)

日高ギター製作⑨前夜

今夜、製作家の日高さんと電話で話したところ‥‥

やっと!Newギター「ホルス」が完成したそうで~す!パチ・パチ・パチ‥‥ヤンヤ・ヤンヤ♪

長かったコンセプト~完成までのこの1年半!色んな事が有りました。
感無量‥‥言葉も無い‥‥。

Hols08 でもね、まだ現物は見てないのです。
何故って?しかるに引き取りは8日(土)だもの。まだ4日待たなきゃ。

日高工房までただ見に行くだけで往復3時間掛かるし、高速代掛かるし、ガソリン代もバカにならないし、仕事が終わってからじゃ疲れるし‥‥って事で、今週の土曜日の大分の情報誌のバンド取材も兼ねて、クロさんと引き取りに行く事になっているのです。

その際、初めての「感動の御対面~!」‥‥涙ウルウル‥興奮冷めやらぬ中での感動の雑誌取材‥‥なんてのも良いかもしれない‥‥って思ったりします。
楽しみは後にとっておいた方が良いと思いますからね。

「見た目は、はっちゃんのデザインそのままです」との事。
はてさて、いったい実物はどうなってるのか、興味津々!

銀細工の日高ヘッドロゴ「M」は、まだ取り付けてないそうで「ヘッドロゴは後付け可能ですので、はっちゃんが暫く使ってみて、やはり付けた方が良いと思えば付けましょう。ヘッドデザインはロゴが無くても完成してますから、このままでも良いと思いますよ」との日高さんの御提案。
よく考えたら確かにその方が良いかも。
失敗したら後の祭りだもの、そうしよう!

「Hols」のブレーシングは「マーク・ホワイトブック+日高さん独自」のオリジナル設計。
「想定通り、自分の好きな音になりましたよ」と、日高さんは太鼓判を押してくれました。

早く弾きたいな~!まだ見ぬ我が子「Hols」よ~!

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2007年8月21日 (火)

日高ギター製作⑧出現

<ネックが出来た!>

2007年8月12日:

ネックの握りが完成、第一次塗装も完了したと連絡を受けたので、預けておいた「Kaoru Heaven」を引き取る為に、約2週間ぶりに工房を訪問する事にしました。

前日の山ちゃんの結婚パーティーの写真を届ける為に、出発前にプレイヤー楽器に寄ったところ、ベースのカドちゃんが暇そうにしていたので、「一緒に日高さんとこ行かない?」って、結局乗っけて行きました。彼にとって日高氏の工房は初めての訪問です。

当日も中々の天気、大分市への道程、カドちゃんと二人の車中、新曲の打ち合わせを行いながらボチボチと向かいました。

さてさて、「Hols」はと言うと、一層綺麗♪になっていました。

今回、ネックの握りが完成し、第一次塗装が完了。そしてボディは第二次塗装を完了していました。

Hols08ネックが出来てる!すっげ~!

どれどれ‥‥握りを確かめようとすると、日高氏が「まだ塗装したばかりなので、大丈夫だとは思いますが強く握らないで下さい」と‥‥。
了解~!そっと握ってみました。

Hols07_2 ウ~ム、良い感じではないか!「Heaven」の握りと全く同じと言って良い!ピタッと手に吸い付く様にしっくり来る感じ!
それにネックにも塗装が施されて、キラキラしてる!
ネックの裏側の姿も風格があって、とっても良いじゃないかあ。

ボディは‥‥と言うと、2回の塗装を経て、艶が増し、これがまた美しい!

ヘッドデザインも指定したとおり‥‥すごくカッコイイ!
このヘッドのロゴマークは、そもそもアバロン貝だったのが、前回の打ち合わせで「銀細工」を取り付ける事になりました。

Horus011今回初めて、出来上がったヘッドに実際にロゴを置いてみると、ヘッドの面積に比べてロゴマークが一回り大きい印象。やっぱり派手に見えるけど、大丈夫かなあ。やっぱり止めようかなあ。
(上の写真を見て戴ければ、日高氏が私のデザインを忠実に再現してくれている事がはっきりと見て取れる)

そこで登場したのが、ベースのカドちゃん。「これはこれで、とっても良いよ!オレ好きだなあ」という、何とも率直なお言葉♪

日高氏の意見としては、「充分このレイアウトでデザインになってるし、銀細工がなくても良いのではないか」と仰っておられましたが、僕はやはり、ここに日高ロゴが欲しいのです。

そこで日高氏曰く‥‥「今はこの銀細工はピカピカで派手かも知れませんが、そもそも銀は錆びて黒ずんでから渋くなります。何なら、もう少し渋く表面を仕上げますよ。今まで銀細工(純銀)をロゴにしているギターは無いですもんね」って。
ム~確かにそう言われればそうだ‥‥銀細工のロゴに決定~♪

ネックヒールの形状も設計時に指定したとおりに仕上げてくれました。
コンパクトに、また傾斜を付けて弾きやすさを追求しました。
しかし、実際弾いてみてどうなのかは定かではないで、強度を少々犠牲にしても形状変更する必要があったのかどうか‥‥これは一種の賭かなあ。

Hols06日高氏より「ここにサインしませんか?」と言われ、このネックヒール部分に「Hols」の名前と自らの名前をサインしました。
ネックとボディを組み合わせれば見えなくなるので、将来ネックリセットするような時にしか拝めないサイン。もう一生見る事ないかもね。

と言うわけで、想像通り‥‥というよりも想像以上の仕上がりに、ただただ、言葉もない私でした♪

さて、私は今回のギター製作を通じて、ただの板切れからこんな素敵な楽器に生まれ変われる「木の神秘さ」をつくづく感じました。

例えば、ギターに使用される多くの木は、100年以上を掛けて深い森に育ち、森と水を守り、そして幾多の生命を育みながら、多くの場合、最後には人の手によって伐採される事で1度目の命を終えます。

その後、木材として家具や建築物、そして楽器へと生まれ変わる2度目の命では、更に数百年をも生き抜く事が出来る「全く不思議な生命体」‥‥もしかして実際の地球の主は我々人間ではなく、「植物達」ではないだろうか‥‥ふと、そんな風に考えてしまいました。

でもそこに介在し、木の寿命を永遠たらしめるのは、「人間の英知と技術と愛情」である事は、言うまでもない事です。

さて、我々人間が今後どのようにして、この危うい自然を守り、共存して行くのか、責任の重大さをひしひしと感じるのです。

こうして、構想から1年半以上を費やし、コンセプト策定、デザイン、材料の選定と入手と、長かったこのオーダーまでの時間的経過‥‥そして具体的に図面通りの材が使用され、組み上げられて、ようやく私と日高氏の血と汗のコラボレーションギター「Hols」として、ここに出現したのでした。

Hidakaroom_2兎にも角にも「嬉しい!」の一言!本当に感無量!

(※上の写真は工房風景:大事なカンナとノミがぎっしり。知る人ぞ知るという工具らしい‥‥)

今後の予定は、鼈甲ピックガードをボディに貼り付け、その上から3回目の塗装を施すとの事。

完成は、9月上旬予定だそうで、本当に待ち遠しいものです。

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2007年8月28日:

再度日高氏と連絡を取りましたので、その後の製作状況について追記します。

①塗装は、ボディ・ネック共に、全て完了したそうです。

②ピックガードは2回目の塗装後に、取り付け完了し、その上から3度目の塗装を施したそうです。

③今週、ネックをボディに取り付けた後、指板インレイ加工を行い、今週末頃に完成。
その後、弦を張り1週間程置き、ボディの変化を観察するそうです。

そして、問題なければ、引き渡しは来週末(9/8頃)の予定だそうです。

現在、自分を追い込んで製作しているそうで、一旦集中が途切れたら集中力を再度高めるのには時間が掛かるらしく、私の訪問は丁重にお断わり戴きました。

早く見たいよ~♪

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2007年8月31日:

今日は金曜日。明日はお休みなのに何故か気持ちが今一歩です。
それは、きっと日高ギター「Hols」に会いに行けないからです。
昨夜、日高氏と電話で話したら、今週末の訪問について、またもやんわりとお断り戴きました。

今、指板のインレイ加工作業の真っ最中らしいのです。
羽根のインレイの切り出しが数枚終わったところ‥‥とのこと。

そして、私の「幾何学的☆」と、日高氏推薦の「リアル調☆」のどちらがこのギターに合うのか?って議論になって‥‥日高氏は「はっちゃんのデザインの方がバランス良さそう」って言ってくれたんだけど、結局は全部のインレイを並べてみてバランス見ないと分からないし、最終判断は日高氏にお任せする事にしました。

「今週末、インレイ作業の手伝いに行きますから見せて!」って言ったんだけど「やっぱり自分でやりますから、来週出来上がったら来て下さいよ」って。
それはそれで、言ってる事は良く分かるんだけど、僕の気持ちも煮え切らないのですよ~♪

一目でいいから見せて欲しいのにな~、日高さん。

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2007年8月19日 (日)

日高ギター製作⑦艶々

7月初旬に訪問した後、約3週間が経過しました。
この頃になると、ネックの製作に掛かります。

2007年7月28日:

そこで、「Kaoru Heaven」の握りを正確に再現してもらう為には、ギターそのものを預ける必要があり、工房へ訪問したのは、真夏の日差しが照りつける暑い日の事でした。
大分市への移動中、「Heaven」は車の荷台でぐったりとして、念のためエアコンをガンガン掛けていましたが、到着まで何事もないか心配でした。しかし、何とか大丈夫だったようです。

さて、新しい我が息子「Hols」は変身しているでしょうか。

<ボディ第一次塗装完了>

Holsは、ボディの第一次塗装が完了していました。
Horus05_2前回は塗装前でつや消し状態だったのが、今回は艶々だあ。ハカランダの木目がなんて綺麗なんだろう。

一般的には柾目が良いと言うけれど、やっぱりハカランダは板目で存在感が発揮されるよなあ。

オリジナルデザインのサウンドホール・ロゼッタは塗装で艶が出て綺麗!「これは押し出しの強い外観が出来てきたなあ~」という印象。全体が組み上がった時には、どんな感じになるのでしょうね。

ネック材は、今では稀少なホンジュラスマホガニーの完璧な柾目材を選定して戴いたとの事です。

日高氏は「もう、これからはこのような良い柾目材は入手不可能です」と強調されて07281 おられたのが印象的でした。

確かにマホガニーは現在、C.F.Martin社でも使えなくなって「ハードウッド」と名前を変えた「ナトー材」等が使われている程の稀少材。本当に感謝です。

残念な事ですが、良質の材は段々とこの地上から消えて行く事でしょう。勿論そうならないように材を消費する我々一人一人が、自然環境、地球環境の保全に真剣に取り組む必要があると考えます。

Horus04_2 しかし、どう考えたって、こういう時代の流れの中で出来るだけ良質なギター作りを希望するなら、早めの取りかかりが良いと思う今日この頃です。

このネックの中に、グラファイト(カーボン)と、スクエアロッドが仕込まれ、とても頑丈な印象。
今は荒削りですが、これから段々とネック本来の形になっていく事でしょうね。

そして、ここで初めて知った事があります。

日高氏は昔、トヨタ自動車のモデリング部門に勤めていたそうです。そこで自動車デザインのモデリング(粘土で自動車の成形)を行っていたらしいのです。
昔の職業柄、人形のモデリング(塗装の勉強)や、シルバーアクセサリ製作(インレイの勉強)を趣味とされているとの事。

07283_2まあ、このように細かく繊細で、とかくセンスが必要な製作物を拝見すると、ギター製作のインレイや塗装等に充分生かされていると考えて良いですね。

写真の「M」のシルバーアクセは日高氏のロゴマークですが、日高氏の提案で、この銀細工を、「Hols」のヘッドロゴにしてもらう事がこの場で決定したのでした。

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日高ギター製作⑥楽器形

<様子見>

4月末に正式オーダーして、2ヶ月以上、工房へは訪問は控えていました。

何故って?日高さんから「暫くギターを作っている事さえ忘れていた方が良いですよ。これだけ決まっていれば後は任せて下さい」と言われたから‥‥という事もあるのですが、8月末の納期に向けて集中して製作してほしくて、出来るだけそっとしておいた方が良いと思ったからです。

しかし、そうは言っても、じっとして居られないのが人間というもの‥‥。

<久々の訪問>

2007年7月8日:

途中経過を見たくてうずうずしていた7月初旬、私は日高氏と連絡を取り、久々に工房を訪ねる事にしました。
この日は、バンド仲間(Kulo)ギタリストの「はるさん」を連れて行きました。
笑顔で迎えてくれた日高氏に促され、工房に入ると、我が「Hols」(Horus)がその威容を表し始めていたのです。

Hols1aまだ塗装前の状態だったのですが、ボディが組み上がっていました。

良い感じのサウンドホールロゼッタインレイ…そして良い感じのハカランダの木目。
私は「Hols」の姿に、しばし感動~ウルウル~。

Hols2_2_2 さて、ありとあらゆる部分の写真をバシバシと撮りました。

オリジナルデザインのロゼッタ・インレイを見て、「デザイン画を描くのはたやすい事だけど、実際に造形するには苦労しただろうな」と‥‥。
指定したとおり、美しいグリーン着色の木を使ってくれていました。

しかし残念だったのは、既にボディが組み上がっており、ブレーシングの写真がまともに撮れなかった事です。

Brother2この時、同時進行しているドレッドノートの兄弟器も発見。サイド・バックに珍しい材を使ったギターです。出来上がったら弾かせて欲しいなあ。

さて、試作品のカッタウエイモデル「JC-CW Moon singer」を、こ の時弾かせて戴きました。

Jccw1 「Moon singer」は、フィンガーピッカー用に少し幅広の指板と薄いネックが特徴です(このギターはこの後、大阪の楽器店に出荷され直ぐに売れてしまったそうです)。いやあ、作りといい、インレイワークといい、レベル上がってますね日高さん♪

一緒に行ったはるさんも、そのギターの作りの良さに感銘を受けていたようです。(写真はMoon singerを弾くはるさん)

はるさんは自動車の部品を作る工場で働く人です。

無塵室での塗装を行う自動車部品に比べ、楽器の塗装環境のなんと簡素な事、愕然としたようです。
こんな環境で、こんなに綺麗なギターが出来るんですね‥‥と。

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日高ギター製作⑤復活

<1年間の充電期間>

あれから約1年の間、私の第一の相棒は「Kaoru Heaven」でありました。

そして幸運な事に、この期間に「Kaoru Crow-3」と出会い、また「Martin HD-7」(7弦ギター)とも出会いました。数々のライブでこのギター達は十分活躍してくれていました。

そんな中、段々と私の心境に変化が現れたのは、一年のうち一番寒い2007年2月初旬の事‥‥1年間の充電期間を経て、自分の中に一つの確信めいたものが芽生えて来たのがこの頃でした。

「自分を見つめ直す時期は終わった。さあ、ギターを作り始めよう」と‥‥。

<ホルスプロジェクト始動>

2007年2月11日:

日高氏に連絡を取り、久々に工房を訪問し、ギターのコンセプトと仕様について打ち合わせを再開しました。

昨年途絶えた「Flying Pyramid案」を発展させ、古代エジプトの神「ホルス(Hols)」をモチーフに、コンセプトを再検討する事にしました。

Holsheadこの日を皮切りに、約2ヶ月半の間、日高氏とは何度も何度も「コンセプト・仕様・デザイン」について、詰め続けました。

時にはひらめきがあり‥時には回り道をしながら着々と理想形へと近づき、4月末の時点では、安定したギターデザインとしての「ホルス(Hols)」が姿を現したのでした。

<ホルスの発注>

2007年4月26日:

4月26日、日高氏へオリジナルギター「ホルス」の正式発注を行いました。

ホルス仕様:
・ボディ形状:ドレッドノート
・トップ:アディロンダック(レッド)スプルース単板
・サイド/バック:ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)単板
・指板/ブリッジ:エボニー(マグロ=本黒檀)
・バインディング:ハワイアン・カーリーコア
・サウンドホールロゼッタ:アバロン貝(左右非対称2重巻き)※独自デザイン
・ネック:マホガニー1本卓、スクエアロッド+グラファイト(カーボン)
・ネックサイズ:ナット幅43mm(握りはKaoru Heavenと同じに)
・ナット/サドル:象牙
・サドル厚:3mm
・ネックヒール:オリジナルにこだわると共に演奏性を向上する為、斜めに削り落とし。プレート材はボコテ
・エンドピン周り:ボコテ(12mmPUジャック穴対応のデザインに)
・ヘッドプレート:エボニー + カーリーメイプル(※独自デザイン)
・ヘッド裏プレート:エボニー
・ピックガード:本鼈甲 (塗装下に塗り込み)
・ペグ:シュパーゼル(つや消しブラック)
・ブリッジピン:エボニー
・指板インレイ:アバロン貝(※独自デザイン)
・ブレース材:アディロンダック(レッド)スプルース
・ブレーシング形状:マーク・ホワイトブック仕様
※この時点で、デザイン・演奏スタイル・予算を考慮し、カッタウエイを取り止め。

サウンド:
・基本的にフラットピンキング向け、短音の分離も考慮する事。
・強いアタック時にも、音がへたらない事。
・低音:深くよどみなく出る事。
・中音:ふくらみと艶がある事。
・中~高音:キラキラ感、及び倍音成分は多めに。
・全体的に堅過ぎず、柔らか過ぎない適度な音質。
・ボーカルを邪魔しないよう、中音域を若干だけ抑える事。

デザイン:

ギター名:「Hols」(ホルス)→古代エジプトにおける「天空の神」。(「Horus」と書いても正しい)

Horus 「隼(ハヤブサ)」の頭を持ち人間の姿で描かれる神で、瞳を使って朝と夜を明るく照らし、自然の恵みの偉大さを広く象徴している。
その名は「遠方にいるもの」「高みにいるもの」の意に通ずる。

時に「ホルス」こそが主神と見なされる場合もあり、この事から「太陽」の属性をも併せ持つ「太陽と月の両方の力を持った神」。

ギター「ホルス」のコンセプト:

このギターを弾く事で感じたい、または感じてもらいたい事は、この地球と大自然の素晴らしさ、その中に存在するのは小さな自分であり‥‥そして、大きな可能性を秘めた自分である事‥‥それを自覚し、勇気と希望を持って生きて行きたい。
そんな「心に元気が宿るサウンド」を、生み出したいと願いつつ‥‥。

Horuslogo_2 天空の神「ホルス」は、現在「エジプト航空のロゴマーク」となって、世界の空を駆け巡っています。

12フレットにはこの「隼(ハヤブサ)」をデザイン化し、「月に向かって飛び立って行くハヤブサ‥‥そのハヤブサから一片の羽(これを「希望の羽」と名付けました)が、このギターを弾く者の手のひらに舞い降りて来る」というイメージ。

1フレット目には煌々と照る「三日月」=「上弦の月」(ギターを弾く態勢に寝せたときは、下弦の月になります)。

各ポジションには空に散らばる「星々」。12フレットにはハヤブサの姿をした「ホルス神」。以下のフレットには、このホルス神から舞い落ちる「希望の羽」‥‥。

また、サウンドホールロゼッタと、ピックガードで1羽の「鳥」のモチーフをレイアウトしました。(つまり、ロゼッタの尖った部分がクチバシで、ピックガードが鳥の体)
ブリッジ形状も「隼」をイメージし、瞳の部分に「アマゾナイト」の勾玉の埋め込み。
更に、ヘッド形状も猛禽類のクチバシのイメージ。

アマゾナイト(天河石) Amazonite:
Amazoniteパワーストーン「アマゾナイト」の性質は、「夢の実現、精神的に強くなる、ストレス解消、自己表現力の向上、決断力アップ」です。
アマゾナイトは別名「ホープストーン」と呼ばれ、「希望を象徴する石」として知られます。
アマゾナイトのパワー…直感・芸術。
この石の持つ明るい希望に満ちたエネルギーは、持つ人の生活や仕事の現在のレベルを引き上げる為の強力なサポートをしてくれます。

Hols1ヘッド表面のデザインは、右下側は カーリーメイプルによる「巨大な惑星(地球)表 面」、左上側はエボニーによる広大な「宇宙空間」を表しています(左が最終案)。

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