ホルスデザインの変遷♪
これをお読み戴くと、その時々に悩みながら、次第に鮮明になってくる「ホルス」誕生の瞬間を少しでも垣間見て戴けると思います。 日高ギター製作日記も併せて御覧下さい。
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2006年1月、日高氏に対面した際、その真摯なギター職人としての姿に感銘を受け、彼にギターを作ってもらう事を考え始める。
どうせ作るならと、フルオリジナルのギター製作を依頼する為、デザインを練り始めました。 この時点では、一つのデザインに固執せず、色んなパターンを考えていました。
平凡だが、やっぱり日本人の心は「桜」か‥‥とか、大分を代表する農産物と言えば「かぼす」だ‥‥とか、スケールは大きく「世界地図」も素晴らしい‥‥とか、とにかく頭の中にある漠然とした形を、デザインとして表現する事にトライしていました。
●フライングピラミッド案(2006年2月)
そんな中、僕の大好きな古代エジプトをモチーフにした「フライングピラミッド(空飛ぶピラミッド)案」が浮上してきました。 古代のエジプト(特にピラミッド)は日高氏の興味とも合致し、俄然盛り上がりつつ、何度も何度もデザインを書き直しました。
しかし、逆に盛り上がり過ぎました。 僕の頭は飽和状態になって、収拾が付かなくなり、次第に行き詰まり、オリジナルデザインを突き詰めていく事に疲れてしまいました。
そしてギター製作の機運は、一旦ここで頓挫してしまうのです‥‥。
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ギター製作計画が頓挫してから、1年程も経過していました。
●エジプト案(2007年2月)
頭の整理が出来てきた僕は、ギター製作計画を再開する事を決意! そしてこの際、ピラミッドにこだわらず「古代エジプト」をモチーフに、思い切ってシンプルなデザインを書き始めました。
1年前のデザインから「月と太陽」だけを引用し、12フレットにインレイ等々。 しかし、この時点ではまだまだ、確固たるデザインの方向性が決まっていなかった‥‥。
デザインの再開と共に、製作材の選定・調達も同時進行で始めました。
「製作作業」以外の煩わしい事、時間の掛かる事は僕が出来うる限り担当する事にしました。
結局、サイド・バック材は南米からの直輸入‥‥。 トップ材・ブレーシング材は北米からの直輸入‥‥。
ピックガード材は、鼈甲屋さんから板材を‥‥。
ボコテ材、貴石等の装飾材、シュパーゼルペグ等も買い入れて‥‥。
通常はこのような支給された材料を製作家が使用する事は、ほとんど無いと考えます。
そもそも、ギター製作家が評価されるポイントは「音」と「材」のみだからです。
あくまで僕と日高氏の信頼関係‥‥そして両名のこのギター製作への思い入れの賜と思って下さい。
●イーグル案(2007年3月)
エジプトの生物の中で、猛禽類、特に雄大な空を流しながら飛ぶ「鷲」が僕は大好き。 だから、12フレットを「鷲(ワシ)」に変更してみました。
そして、「猛禽類」を型どって、ブリッジ形状、ヘッド形状、ピックガード形状と全て「鳥」に変更。
でも、これでも今一歩意味が分かりません‥‥納得出来ない‥‥。
●ホルス案(2007年3月~4月)
ヒエログリフだの、ファラオの歴史だの、古代エジプトについて追っているうちに‥‥「古代エジプトの鳥の姿をした天空の神」=「ホルス」に辿り着きました。 この時、上手い具合に頭の中でバラバラだったパズルが、瞬間的に一つの絵になった気がしたので
す。 今まで描いていた「鳥」のイメージを12フレットに置いたら、そこから舞い落ちる「希望の羽根」が1枚。
満天の星空には三日月が浮かび、何処までも飛び立つ「ホルス神」。
それに、エジプト航空のロゴは「ホルス神」だ
ったのかあ‥‥何と いう事でしょうか! ‥‥ウ~ム、段々とイメージが湧いてきたぞ~♪
ということで、最終デザイン案が、この時一気に完成しちゃった!
しかし、「ホルス神は隼(ハヤブサ)の姿をしている」‥‥と書いてある。
え?「隼」って猛禽類だけど、少なくとも「鷲」とは違うよなあ。一体どんな姿だったっけ?
ネットで「隼」の写真を検索して見たら‥‥あ、やっぱり明らかに違うじゃん! ‥‥ということで、「隼」の写真を参考にデザイン画を描いてみる。
翼を広げた隼の写真がなかなか見つからずに苦労したけど、描いているうちに、だんだん似てきたかな。
●隼イメージ案(2007年4月末) = 最終案 = 発注! 最初は「翼を下げて架空している写真」から絵を描いたのでイメージが伝わりにくかった為、「翼を上げて飛び立つ姿」に変更。
この時、ヘッドのコントラスト部のデザインは「波打った形」から、約1年前に考えた「フライングピラミッド案」のイメージ通り、「地球表面と宇宙空間」とのコラボレーションへと回帰した。 このように、ホルスのデザインが完成するまでの軌跡を追って
いくと、「いくつかの偶然が重なった」としか思えない。 もしかしたら、この「符号」は大いなる何かに導かれたのかも‥‥。
「ホルス誕生」‥‥僕にとって、それは計り知れない「生みの苦しみの産物」であると同時に、「希望」と「感動」を呼ぶ大きな大きな出来事であった。 もしかしたら、この大いなる苦悩の中で「来たるべくして来た運命」の様なものが、いつしか僕を駆り立てていたのかも知れない。
‥‥なんて最近思ったりもする。
そして、何よりもこのギター開発に全面的に協力し、全身全霊を傾注して(しかも安価で)製作して下さった「日高雅樹氏」に、心より御礼を申し上げたい。---------------------
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