ふるたギター工房の15本目「Leafα」完成近し♪
ふるたギター工房、15本目の「Leafα CW-SJ Jacaranda」がいよいよ完成期に入った。
今回は更なる進化を目指し、材料も一流の物を使用した。
サイド・バックにはハカランダ単板。
指板には相当貴重な青黒檀。
駒には100年寝かせてあったというハカランダ。
トップにはシトカスプルース(AAAクラス)単板を採用。
パーフリングは「ソリッドアバロン・シェル」を中心に構成。
バインディングはヘリンボーンを廃止し、細木の組み合わせのみ。目に栄える「山桜の白」と「黒檀の黒」のコントラストが美しい。
各部の材料に関しては、はっちゃん支給材をかなり使ってくれてる格好だが、さて肝心の音はどうだろうか。
ギターを吊して指先でボディを軽く叩くと「ぽーん」と余韻良く、素性の良さが分かる。
トップ板厚は塗装前で3mm以上あるのだが、響きが良い理由は、おそらく更に精度が上がったからだろう。
また、今回の大きな変更の一つはボディ厚。ボディ中央部をドレッドノートより厚くすることで、更に容積を増した。
しかしそれでも、アーチ&流線形のボディ構造、特許出願中「ニー・スロープ」の形状により、非常に抱えやすく作られ、演奏者に優しい。
ナット幅は46mmとフィンガーピッキング向けに設計された。
我々弾き語りには広すぎるグリップだが、厚みが薄いので何とかなるかな。
昨年10月初旬より製作を開始した本器。後2ヶ月程掛かるだろうか、早く塗装が終わって弦を張るのが楽しみである。
塗装を重ねることでクッキリと杢目が浮き出てくる。
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ふるたギター最新の仕様を更に詳しく御紹介(^0^)b
【ふるたブレーシング】トップは背が低めのスキャロップブレーシングを施し、鳴りを考慮した。
強度については、3mm以上の板厚により稼いだ。
バックブレーシングは背を高くし、エッジを尖らせることで単音の分離を考慮した。
【hooking bridge(フッキング・ブリッジ)= 引っ掛けブリッジ】
当初、ふるたさんから私に「スルーブリッジにしたい」との相談があった。
オベーションのようなスルーブリッジやピンレスブリッジは、弦振動をボディに伝えやすいという利点がある。
しかし、ピックアップ電池の取り替えなどの際、一時的に弦を取り外したいときには、糸巻き部分から弦を抜き取らなければならないからとても面倒だと申し上げた。
そこで、ふるたさんはブリッジは、全くオリジナルの「hooking bridge」(フッキング・ブリッジ)=「引っ掛けブリッジ」を考案。
弦のボール部分のみをブリッジ内部に引っ掛けるだけで、それも、ブリッジ上下の切り欠き形状と、弦の挿入角度のみで規定するという、シンプルかつ実用的な方式。
一度引っ掛けて弦に張力を掛けると決して外れず、張力を緩めて外そうとすると、容易に外すことが出来るという画期的な弦留めシステム。
しかし、年月が経つと固いローズウッドプレートであっても削れてめり込んだりもする。
そこで「フッキング・ブリッジ」の開発にははっちゃんも関わり、ボディ内部のボールの当たる部分にははっちゃん考案の象牙プレートを仕込むことで、めり込み防止と弦振動を確実にボディへと伝える工夫もした。
これにより、高価な象牙ピンに取り換えたときのような瑞々しい音が実現されるはずだ。
更に、フックを弓形に配置することで、横から見たとき、サドルからブリッジに傾斜する各弦の角度を統一し、テンションを均一にしようという工夫がなされている。
また、ブリッジ底面にボディ表面と同じアールが施され、ボディ表面と完全にフィットさせることで、無理なく均一な張力がボディに掛かるよう考慮されている。
【knee slope(ニー・スロープ)= 傾斜角の付いたサイド形状】※特許出願中(特願2011-209834)通常ギターのくびれ部分は、ボディ面に対して垂直であるため、ギターを膝に置いたとき隅の一点のみでひざに当たりギターを支える。
最新のふるたギターでは、ひざに当たる角度に合わせてくびれ部を斜めに設定し、更にえぐり込んでいる。
つまり三次元的(3D)にスロープを形成している。
特に大きめサイズのギターの場合は、ボディの横幅が大きいのでヒジ部分が持ち上がる。
これの回避のためには、くびれを大きくすると良い。
ところが、この三次元工法によりギターの高さが下がる。
結果ヒジ高さを下げられ、肩の疲れの少ない、楽な姿勢での演奏が可能になる。
さらに、ギター下側面の多くの面積がひざにフィットし、非常に安定してギターを抱えることが出来る。
「ふるたブレーシング」の項で示したように、裏板の写真を見てもらうと、左右の「くびれ」の位置が違うことが分かってもらえるだろうか。
つまり、表板は左右均等なのだが、側板が傾斜させてあるので、結果的に裏板の形状が変わる。
ギター側板の「割れ留め」も、ニースロープ部分は当然斜めに取り付けられている。
この辺りは、かなりの技術と労力が必要だ。
また、「ニー・スロープ」のために側板を曲げると、板面に対して垂直ではなく必然的に斜めに曲がることになる。
その後、ボディ形状に合わせて上下を切り取るため、通常より幅広の側板が必要なのだ。
これらはじつは大変な作業だ。
ふるたギターの「ハカランダLeaf」。
さて、どんな楽しい音を奏でてくれるだろうか。
P.S.ここで間違って欲しくないのは、これは俺のギターじゃないってこと。
はっちゃんは、Leafの共同開発者として‥‥
・デザイン
・プレイヤーとしての使い易さとサウンドに関するアドバイス
・今回は材料の提供
を行った。
しかし、Leafはあくまでふるたさんが自分の趣味で作ってるギターなのだ。
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さて、近々のライブ情報をお伝えしま~す\(^o^)/
2013年2月3日(日) APOLLO CAP 2013 in 音猫・三毛猫ライヴ | ||
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