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2013年6月

2013年6月25日 (火)

直樹頑張れ!人生はまたきっと輝くときが来る

中学の同級生である彼は唄う事が大好きで、心からギターを愛しています。
6彼はギタリストがびっくりするようなテリーズテリーや、Martinギターを持ち、音楽人生を謳歌しておりました。


それが3年前のある日、飲み会の翌朝、シャワーを浴びていたところで突然倒れたそうです。
救急車で運ばれた彼は、脳内出血で左半身が完全に麻痺しておりました。

今日の昼、久しぶりの彼からの連絡。
「ギターを買ったので弦を張り替えてくれないだろうか。ギターを弾いてくれないだろうか」。
仕事が終わった後、早速彼の家に向かったはっちゃん。

20130625_182908_2玄関のベルを押すと、「どうぞ、空いてるよ」と声がする。
居間に入ると、椅子に座ったままの彼。
ジャージの上から、今はガリガリに痩せてしまった太ももが分かるのです。
左手は握ったままで開きません。

じつは、彼は素晴らしいギターたちを持っているのですが、手元にありません。
自分が弾けないと分かったとき、彼は手元にあるギター達がかわいそうになりました。
そこで全てのギターをギター好きの叔父さんに預け、弾いてもらっているのです。
でも今になって、手元に全くギターが無いのはやはり寂しいと今回YAMAHAのエレアコを手に入れたとのこと。


20130625_184232_2今の仕事のことや、辛いリハビリのことを話してくれた彼。
僕らはギター談義をしたり、昔やったライブの話をしたり、僕はパソコンの分からないところを教えて上げたり。

そんなとき、彼がぼそっとつぶやきました。
「いつかまたギターを弾けるようになったら、小倉のフォークビレッジのレギュラーになりたい」。(フォークビレッジとは、小倉の老舗のライブハウスのことです)
「でも、この左手がネックを握れんからなあ」
と、テレビのリモコンを取り、開かない手のひらを無理矢理開いて握って見せるのです。

20130625_194557_4僕はひらめきました!
「ふるたさんがネックのサンプル持ってる!」
ふるたさんは自らの為に、ネックサンプルを製作したことを思い出したのです。

20130625_195231早速電話すると、「どうぞ、良いですよ」という快い返事。
僕は彼に別れを告げて、ふるた工房へと向かう。

いくつか出してくれたサンプルの内、43mmナット幅、21.5mm厚のネックサンプルを有り難く頂戴した。
これは「イチイガシ」で作られていて丈夫でしなやか、適度な重さも有り、リハビリにはちょうど良いだろう。

ついでに、エッジの尖った部分をカンナとペーパーで丸く仕上げてもらい、完成!

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さて、一夜明けて翌日のこと。

Image2仕事を終えてから彼の家に「トレーニングネック」を届けたはっちゃん。
20130626_174036(リハビリ用なので、呼び名を変えました)

彼はことのほか喜んで、「ふるたさんにお礼を言ってね。ずっと持っているよ。寝るときも持っていようかな。」って。

「そこまでしなくても」と言おうとしたところ、彼の目は本気のようです。
(写真からはくみ取れないかも知れませんが、今の彼にとっては満面の笑顔なんです)

それから、facebook記事に寄せられた皆さんのメッセージを一つ一つ読み上げました。
それを黙って聞く彼の目には涙が光っていました。

長居せずに帰ろうと思っていたけど、「自分でもfacebookの記事を見たい」と言います。
1_3登録の仕方が分からないと言うので、その後は、あーだこーだと設定してあげて先程帰ってきました。

彼は今、再びギターを弾くことを夢見て辛いリハビリに励んでいます。
そんな頑張ってる彼を、長期間取材して番組にしたいと20130625_194754NHKテレビがコンタクトしてきたようです。

奇跡的に回復し、テレビ画面に彼の笑顔が溢れる日が来ますように‥‥。

彼は、これからこれを毎日握りしめながら、復帰を夢見て訓練してくれることだろう。

いつかまた一緒のステージに立とう、頑張ろうな!直樹!


※この写真と文章の掲載は、本人の承諾を得た上で行っております

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2013年6月18日 (火)

夏のライブ情報~♪

皆様、毎日暑い日が続きますが、如何お過ごしですか?
今後の当面のはっちゃん関連のライブ情報をお知らせします\(^o^)/

皆様是非、よろしくお願いしま~す♪

2013年7月7日(日)  MAP LIVE in ウサノピア(宇佐市)
7月7日(日)七夕の日、宇佐文化会館(ウサノピア)大ホールにて、無謀にもMAPライブ開催!!!
はっちゃんも、井ノ上雅人とのユニット「はっTOマサTO」にて
出演決定!(ポスターではソロになっていますが‥‥(^▽^;)
そこで、収容人数1,197席のホールを分身の術で埋めようとしてます!‥‥って何言ってんの~~~っヽ(`◇´)/ とんでもないことになった~~(゚´Д`゚)/
皆様ひまつぶしでも良いので、是非是非ウサノピアにお越し下さいませね~~~(*Θ_Θ*)/

◆MAP LIVE in ウサノピア
出演:Kerry Unit, 空, 松浦マサヒコ, SHYR, マルクスけいとら, はっTOマサTO
入場料無料!
日時:7月7日(日)
開場:13:30 開演:13:45 終演17:00
会場:宇佐文化会館(ウサノピア)大ホール
〒879-0454 大分県宇佐市大字法鏡寺224番地
TEL:0978-33-3100
http://www.usanopia.jp/

 

 2013年7月12日(金)  NOAS-FM 縁もゆかりもミュージック 200回記念番組
我がバンドのクロさんがナビゲーターを務める「NOAS-FM 縁もゆかりもミュージック」が、この日200回を迎えます♪
これを記念してKULOの他、音楽仲間が集まります(^0^)b
是非、お聞き下さいませヽ( ゚▽゚)ノ

時刻:7月5日(金)20時~21時
出演:KULO他
NOAS-FMはインターネットを通じてパソコンやスマートフォンで全国何処にいても聴く事が出来ます。
スマートフォンでは「サイマルラジオ」の無料アプリをダウンロードして下さい。
アプリは「マーケット」で検索してみて下さい。

SimulRadio(サイマルラジオ)
http://www.simulradio.jp/

また、「縁もゆかりもミュージック」宛にメッセージをお寄せ下さい。
HP: http://www.789.fm/contact/message
FAX: 0979-27-0789

 

 2013年7月13日(土)  KULO in カフェ・ディアダックス

大分市「カフェ・ディアダックス」にて、ハッセさん企画ライブを開催!
大分の方、是非お越し下さいね♪

出演者:
●KULO
●APOLLO CAP 2013
●Junko

時間:19:00開演
料金:1,000円(1ドリンク付)
場所:カフェ・ディアダックス
大分市高城西町31-5第一清弥ビル101
TEL:090-3669-4097

 

 2013年7月27日(土)  はっTOマサTO in 九重夢大吊橋
「九重夢大吊橋」の駐車場にて、玖珠の音楽仲間「じゅんちゃん」言い出しっぺのイベントが行われます!
ここで、我ら県北の音楽仲間がライブをします。
結果的に玖珠町主催となり、大きなイベントになりそうです。

この日は、「九重夢大吊橋」駐車場に集合~♪

演奏時間:
●12:35~13:05 APOLLO CAP2013
●13:05~13:35 ぼーぶらまったん
●13:35~14:05 はっTOマサTO

場所:大分県玖珠郡九重町大字田野1208
TEL(代表):0973-73-3800
http://www.yumeooturihashi.com/
2013年8月31日(土)  はっTOマサTO in アコパラ6th
中津に音楽を根付かせたいとアマチュアミュージシャンがボランティアと共に立ち上げたアコースティックライブ「アコパラ」。
今回も県外から素晴らしい演奏者を招き、地元バンドとのコラボレーションを行う予定です。
超低料金でありながら見応え十分な「アコパラ」に、是非お気軽にお越し下さい。

アコパラ5th出演者:
● ハマジラと平魚(中津)
● APOLLO CAP 2013(中津)
● はっTOマサTO(中津+博多)
● 艶(大阪)

日時:8月31日(土)18:30開演
会費:1,000円(1ドリンク・おつまみ付)
場所:ビリケンクラブ 中津市大字島田10番地
TEL: 0979-22-1146

出演者紹介:
ハマジラと平魚(ひらさかな)
今年4月に奈良から中津市耶馬溪に移住してきた、自然大好きな仲良し二人組。
ウクレレやタイコを叩き、癒やしの歌とメロディで、不思議な空間を創り出す。
http://www.youtube.com/watch?v=16eFmG9xZFw

APOLLO CAP 2013(アポロキャップ)
「風」「伊勢正三」をこよなくトリビュートする姿が、観る者をフォークの世界へ誘う。
今やコスプレおやじバンドとしても、あちこち引っ張りだこの大人気グループ!
http://www.youtube.com/watch?v=nsvPQVENNk8

はっTOマサTO(はっとまさと)
中津のはっちゃんと博多の専門校在学中のマサトとの「遠距離歳の差ユニット」!
カバー曲中心の構成で、パワフルなツインヴォーカルと、確かな演奏が持ち味。
http://www.youtube.com/watch?v=6N4q4SYfwqA

艶(つや)
艶やかな歌声とピアノの甘いメロディーで、聴く者の心に語りかける浪速の歌姫。
最近演歌にも挑戦中というマルチな才能を持つ。大阪からお越しのアーティスト。
http://www.youtube.com/watch?v=tOVFNLk3h3c

お待ちしています~(*Θ_Θ*)/

はっTOマサTO: 木蘭の涙 カバー曲
http://www.youtube.com/watch?v=6N4q4SYfwqA

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2013年6月12日 (水)

OOO-18 '48の魅力とは‥‥

Dsc_1291bMartin OOO-18 (1948年製)が我が家にやってきたのは、今から5~6年程前。
質屋さんから「ジャンク品」として出品されていた物をオークションで落札したのだ。

送られて来たギターは、まさにボロボロ、見るも無惨な姿であった。

8_2ピックガードはまるで古くひび割れた革のようにヌメヌメした色でめくれ上がっている。
フレットが割れて、バインディングが取れかけている。
塗装は乾燥し過ぎで、触れるだけでポロポロと剥がれ落ちる。
C.F.Martinのロゴも剥がれてしまって見えにくい。

トップ(表板)の塗装は溶けてボディ下方向に垂れているかのよう‥‥(これは後に別の現象であることが判明する)
サイドはどこかに思いっきりぶつけたのであろう、10cm程割れてぼっこりと凹んでいた。
ブレーシングがいくつも剥がれ、Tバーのネックは弦の張力で反り、弦髙がとても高い。
フレット替えを何度も行ってきたのであろう、ハカランダ指板は薄くなっていた。

6しかし、不思議なことにこれほどボロボロなのに、トップは全く割れてなかった。
そして異常な程カラカラに乾いたボディからは、想像が出来ないとてもとても甘いメロディーがこぼれ出た。

このまま骨董博物館行きも良かろう。
しかし僕はプレイヤーだ。
このままでは演奏する気にはなれないし、下手するとどこかで損壊してしまうかもしれないと思った。

7早速、いつもお世話になっている浜松市にお住まいの「鳥居」さんの修理工房「大鳥楽器」にオーバーホールを依頼した。
お願いしたことは、「プレイヤビリティーを向上させ、ヴィンテージの風格はそのままに日本の気候に耐えられるように仕上げて下さい」とだけ。

鳥居さんの検証の結果、行った修理は‥‥
・指板を剥がし、オリジナルの「Tバー」を取り出し、一旦逆反りさせて元に戻す。
・指板はローズウッドの薄板を下側に貼って底上げ。
・ネック、ヘッドも含め、ボディ全ての塗装を薄く薄く剥がした後に、薄くオーバースプレーを施す。
Dsc_1353b・側面の割れは中から押し出して補修。
・ブレーシングの剥がれ補修。
・ピックガードに熱を掛けて出来る限りフラットに。
・ナットの象牙化。
・ブリッジは取り替えられてノーマルサドルだったため、オリジナルと同じロングサドル仕様へと溝を変更し、サドルは象牙化。
・フレット打ち替え。

9_2まさに全面オーバーホールといった様相だった。

数ヶ月後に戻ってきた時の、こいつの楽器としての変貌ぶりには目を見張った。
塗装もしっかりとしているのに、ヴィンテージの風格は色あせてはいなかった。
「歳を重ねて気品を増したおばあちゃん」と言った雰囲気。
Dsc_2687
この辺が、リペアの魔術師・鳥居さんの鳥居さんたる所以なのだ。

更に入手当初、「塗装が溶けて垂れている」と思い込んでいたのは、綺麗になった今よく観てみると‥‥。
トップ全面に現れたものすごい「ベアクロウ」であることが判明。

「ベアクロウ」とは‥‥。
Dsc_2805_2熊が爪で引っ掻いたように見える杢目のこと。
樹木が生長する際に、横風の影響を受けたりして重量を支えようと踏ん張ってる部分に集中して出来るシワであると言われている。

本来このような材は、見た目が良くないという理由で敬遠された。
「アテ」と呼ばれて嫌われ、楽器用としてはもちろん、家具用としても切り捨てられてきた部分らしい。
65年も前、今と違って木材が大量に有った時代にだ。
しかも世界最高のギター材を原木で保有するMartin社が、何故わざわざこの材を主力楽器に使用したのであろうか。

製作者が何らかの目的を持った上で、この材を選んで使用したのではないか‥‥。
Dsc_2707_2例えば、意図する音作りのために試験的に使用してみた等。
僕にはそうとしか思えないのである。

さて、木材としてはいわゆる目が詰まった部分のため、非常に堅く丈夫でもある。
ギター材としては、天然の「ブレーシング」=「力木ともいう。補強と音質調整の役目を兼ねたギター内部の木組み」と言え、割れに対する強度が高い。
音質的にも堅めで、サスティーンの伸びる材と言われている。

現に、このギターが手元に来たときの話。
激しいピッキングによりボディ表面が削れていたのだが、ベアクロウ部分だけが削れてなかった。
いかにベアクロウ部が堅いかが分かるエピソードだ。

Takaじつは、Martin社の最高級器「D-50」は全面ベアクロウだし、今週末に別府でライブを行う「石川鷹彦」さんのYAMAHA製のTakaモデルもそうだ。
いまでこそ貴重な材として見直され、高級材として位置づけられた全面ベアクロウモデルが今ここにある。

全ては時代の流れであり、価値観は変化する。
何とも面白いものだ‥‥と僕は思った。

しかし、このような大規模な修理後の常だが、鳴りは静まってしまった。

さて、それから数ヶ月、部屋弾きしている間に再び鳴るようになってきた。
そんなある日、ミュージシャンの「原口純子」さんと食事をする機会を得て、この「OOO-18」を余興に持って行ったはっちゃん。

10この時、純子さんにとって、余程印象が強かったのであろう。
後日、再び彼女のOAをすることになった際、「はっちゃん、あのOOO-18をもう一回弾かせて」と直接電話が掛かって来た。
あの後、純子さんはツアーで各地を周りつつ、機会があれば楽器店に寄ってはOOO-18を弾かせてもらってたらしい。
でも、自分の中では、「あの耳に残った音が忘れられなかった、あれ以上の音に出会わなかった。だからもう一回弾かせて」‥‥と。

P3247489_01bしかるに、純子さんはそのライブでこのOOO-18を使って1曲演奏してくれた。
その辺りの経緯は、下記URLの記事に書かれているのでお暇なときにどうぞ。
http://acoraku.way-nifty.com/blog/2011/12/kulo-in-ooo-20d.html

改めて、彼女にとってのこのギターの魅力を再認識したようで、どうしても手に入れたいようだった。
そうは言っても貴重な物には変わりは無く、修理にもそれ相応の費用が掛かっている。
いくら純子さんでも、さすがに差しあげると言うわけにはいかない。

Dsc03789b色んなリスクを考え、数ヶ月間悩んで悩んだあげく、結局僕はそのギターを「1年間限定」で無償貸与することにした。

去年の3月、中津ビリケンクラブでのことだ。
このOOO-18を使って唄う純子さんの演奏が、ステージからシャワーのように降ってくるかように聞こえた。
http://acoraku.way-nifty.com/blog/2012/03/in-d2ec.html

その時僕は思った。
多くの人たちを楽しませる楽器としてプロのツアーに連れて行ってもらうのも、このギターにとっても幸せなことなのだろうと。
そして、OOO-18は純子さんと旅に出た‥‥。

Dsc01588b_2それから1年を経て、今年4月初旬。
OOO-18は約束通り僕の手元に戻ってきた。
純子さん用に低くセットされていた弦髙を戻すため、自ら象牙サドルを作り直したが、その他は元のままだった。

あの時、もしものために誓約書を戴くことも考えたがそれは止めた。
今までの「KULOとの信頼」を担保にそのまま貸与したわけで、正直不安はあったわけだが、無事に返ってきた現物を見てそれも取り越し苦労だったことが分かった。
この1年間、純子さんは丁寧に大切に使ってくれてたようだ。
それは見たらすぐに分かった。
「お前は幸せなギターだな」、と僕はつぶやいた。

Dsc_2785_2遠く米国の地で生まれ、幾人か幾十人かは知らぬが、おそらく多くのミュージシャンの手によって育てられ。
いつしか日本に渡って弾かれていくうちに、どこかで忘れ去られ、とうとう終いにはボロボロの姿で質屋に持ち込まれたギター。

それが僕の手に渡ったことで、超一流のプロリペアマンの手によって蘇り、今部屋のギタースタンドに立って出番を待っている。

まさに、「縁は異なもの味なもの」‥‥。

じつはまだピックアップを仕込む気持ちにはなかなかなれない。
1こいつは生音が良いのだ。

かの「上田正樹」が中津でライブした際、打ち上げでは最初静かだったのだが、このギターを持った途端、ノリノリで歌い始めた。
楽器とは本来、そういう人の心をかき立てる存在なのだ。

いつも僕が、「おばあちゃん」と親しみを込めて呼んでいる「1948年製のOOO-18 」。
僕にとっては、「永い時の流れが育んだ、味のある音色」で話しかけてくれる「大切な家族」のようなものである。

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