本日、14本目のNEWふるたギター「Leafα CW-SR」が完成した。
昨年11月から製作開始したので、完成まで5ヶ月間を要し、これまで330時間以上掛かったことになる。
このギターは、次回の福岡で開催されるギターフェアへの出品を目指して製作された物。
それだけに、これまで以上に慎重に丁寧に作ってきたのだ。
懇意にしている楽器店「プレイヤー楽器」の山ちゃんから電話があった。
「中津でギターを作っている人が、今そのギターを持って来ている!」とのこと。
急ぎ駆けつけたはっちゃんは、何とも奇妙なギターを目の当たりにする。
それはギターの格好はしているが、到底製品には出来そうにないような出来映えのギターであった。
しかし、自ら一念発起し、誰にも教わらずに試行錯誤を繰り返しながら作り続けるふるたさん。
その熱意と努力と確かな技術に敬意を表し、ことある毎に共に考え、共に作り上げてきたギターが「Leaf」である。
ふるたさんは、A級ライセンスの持ち主でレーシングチームを作っていたという車好き。
元々機械設計の技術者であり、木工を趣味としていた。
よって、ギター製作やリペアのための治具は、殆ど自分で設計して作ってしまうと言うすごさ!
(その方がめちゃくちゃ安いらしい(^▽^;)
そんな根っからの職人が計算を根拠に設計し、1台1台作る毎にその精度と技術を向上させ、磨きをかけてきたのだ。
そのギターに、はっちゃんはプレイヤー視点の「音」と「弾きやすさ」と「デザイン」のエッセンスを盛り込んできた。
今回の「Leafα CW-SR」にも、そんな「ふるた工房」の独自のアイデアと技術がふんだんに投入されている。
それをこれから順に御紹介しよう(^0^)b
独自技術その1:※特許出願中(特願2011-209834)
「knee slope」(ニー・スロープ)=「ひざ傾斜」のサイド形状。
通常ギターのくびれ部分は、ボディ面に対して垂直であるため、ギターを膝に置いたとき、隅の一点のみでひざに当たり、ギターを支える。
最新のふるたギターでは、ひざに当たる角度に合わせてくびれ部を斜めに設定し、更にえぐり込んでいる。
つまり三次元的(3D)に、スロープを形成している。
特に大きめサイズのギターの場合は、ボディの横幅が大きいのでヒジ部分が持ち上がる。
これの回避のためには、くびれを大きくすると良い。
ところが、この三次元工法によりギターの高さが下がる。
結果ヒジ高さを下げられ、肩の疲れの少ない、楽な姿勢での演奏が可能になる。
さらに、ギター下側面の多くの面積がひざにフィットし、非常に安定してギターを抱えることが出来るのだ。
独自技術その2:それは、今回考案した「hooking bridge」(フッキング・ブリッジ)=「引っ掛けブリッジ」である。
オベーションのようなスルーブリッジや、ピンレスブリッジは、弦振動をボディに伝えやすいという利点がある。
しかし、ピックアップ電池の取り替えなどの際、一時的に弦を取り外したいときにはとても面倒。
それは、糸巻き部分から弦を抜き取らなければならないからだ。
そこで、弦のボール部分のみをブリッジ内部に引っ掛けるだけの取付方法を、新規考案したふるたさん。
それも、ブリッジ上下の切り欠き形状と、弦の挿入角度のみで規定するという、シンプルかつ実用的な方式だからすごい!
この構造は、彼が実験を繰り返して割り出したもの。
ここでは詳しくは述べないが、一度引っ掛けて弦に張力を掛けると決して外れず、張力を緩めて外そうとすると、容易に外すことが出来るという画期的な弦留めシステムなのだ。
「フッキング・ブリッジ」の開発にははっちゃんも関わり、ボディ内部のボールの当たる部分にははっちゃん考案の象牙プレートを仕込むことで、弦振動を確実にボディへと伝える工夫もなされている。
これにより、高価な象牙ピンに換えたときのような瑞々しい音が実現されるはず。
またスルーブリッジは、ボディ表面への接着で支えられているためブリッジ剥がれの恐れがある。
しかし、このフッキングブリッジは、ボディ内部のブリッジプレート及び象牙プレートで支えられているため、ブリッジが剥がれるという心配がない。
これは、ギターの管理の問題も含めて誠に都合が良い。
独自工夫:
「hybrid neck」(ハイブリッド・ネック)=「複合ネック」である。
はっちゃんの要望で、弾き語り向けにナット幅43mm、ネック厚21.5mmの若干厚めのややVシェイプを採用して欲しかった。
しかし、フィンガーピッキングを弾くふるたさんは、どうしてもミドルフレット部に広めの指板が欲しい。
そこで、2人の希望を複合した「ハイブリッド・ネック」を考案。
つまり、ローフレット域は弾き語り向け、そこから段々広くすることでミドルフレット以降はフィンガーピッキング向けに設定した。
弦を張って弾いてみると、これがなかなか具合が良い。
もちろん、ネック仕上げの際はふるた工房さんに通って、とことん詰めたはっちゃん。
握りには、はっちゃんの並々ならぬこだわりが込められているのだ。
結果的に、今までのふるたギター中、最高のシェイプを実現したと自負している。
インレイワーク:
・今回のモデルは、口輪のアバロンインレイを指板にまで連続的に反映させた。
そのため、19フレット仕様になったが、余程のことがない限りそれ以上必要になることはないだろうとの判断だ。
この部分のインレイワークはなかなか素晴らしいぞ!
・指板に象牙とアワビ貝による連続的な「リーフインレイ」を施す。
ヘッドトップのリーフから、3、7、12フレットのリーフ、口輪のリーフまで「連続的な流れ」を感じさせるデザインとした。
厚い表板:
ふるたギターでは通常、湿気に対する保護と材の強度UPのため、サウンドホール内にも塗装が施されている。
この塗装厚も含めると今回はなんと「3.4mm」にもなった表板の厚み。
この厚みはフィンガーピッキング用としてはあり得ないが、今回あえて採用した。
これだけ厚いと長年の使用にも耐えうるであろうし、年月を経たときの鳴りがまた楽しみである。
ブレーシング:
純粋なストレートブレーシングではないが、若干スキャロップした程度に留めている。
これは表板の強度UPのためと、タイトな音を目指した事によるもの。
ボディのアール(ドーム)形状:
「Leaf」のボディ厚のエッジ部は「OOO」程度の薄めボディだから抱えやすい。
これに対して表裏のアールにより内部容積を稼ぐことで、しっかりと厚みのある「鳴り」を目指している。
特に裏板の大きなアールはふるたギターの特徴だが、表板にも適度なアールが施され、ボディ強度は申し分ない。
塗装:
下塗り、中塗り、仕上げ塗りの3種類の塗装が施されている。
今回は今までにも増して下塗りが丁寧に施され、道管支管が綺麗に処理されているようだ。
にもかかわらず、トップ表面の塗装厚はわずか「100ミクロン程度とのこと。お見事!
異常に正確なピッチはふるたギターの真骨頂だ!
例えば、7フレットにカポを装着しても、チューナーの針で確認するとドンピシャ!
一切ピッチが狂わないギターって、気持ち悪いくらい気持ちが良いぞ(o^―^o)♪
驚くほどピッチが正確な理由は、2種類のフレット位置の計算方式を融合し、ふるたさんが偶然見つけたもの。
これは企業秘密だ。
ボルトオンネックとディープジョイント:
ふるたギターではおなじみの、ボディに深く差し込まれたディープジョイント構造でボディとの接合は完璧だ!
そして、取付は2つのボルトによるボルトオンネックで容易なメンテナンスを実現した。
その他、書ききれないほどの工夫が、14本目のふるたギター「Leafα
CW-SR 」には施されている。
もちろん、ふるたさんの魂が込められていることは、言うまでもないだろう。
使用材:
使用する木材は出来る限り地元産にこだわっている。
はっちゃんの「Leaf3-CW 8chan special」では、サイドバックに「イチイガシ」。
ネックに「ヤマザクラ」を使用した。
これらは中津市産の材をふるたさんが長年寝かせていた物だ。
そして今回のギターのネックには「ムクノキ」が使用されている。
こちらは、近所の人から「邪魔になったので切って欲しい」と依頼されたふるたさんが、そのムクノキを譲ってもらった物。

あれから10年程寝かされて、ギターのネックになった。

ふるたさんによると、ムクノキの比重と材の特性は「マホガニー」に酷似しているという。
マホガニー材の価格が高騰する中、地元材をふんだんに使用できるのは有り難い。
弦髙は、12フレット上で6弦側2.4mm、1弦側1.9mm程。

サドル高さも4mm~5mmは確保されて、テンションもちょうど良い。

本日現在はまだネックの接着が行われていないが、問題が出なければ近々接着され、最終的に完成する予定。
ここまでハードウエアについて述べてきたが、実際「ギターの命は音」である。
もちろん、音を追求するためには、材料の選定や、加工精度、組み付け精度の高さ、そして音に対する「飽くなき探求心」が必要だ。
今回の「Leaf」では、すぐに鳴り始めることは求めなかった。
本来のボディ鳴りを始めるには最低1年は掛かるだろうし、経年による変化を楽しむのも一興だ。

とはいえ、この状態でも鳴ってるし、「鳴りすぎ」と評価する人も中に居るかも知れないのだ。
これは好みの問題だし、そう言った意味ではちょうど良い案配かも知れない。
例えるならば「Martin D-28」のドンシャリ感を若干押さえ、バランスを取った感じと表現したら良いだろうか。
多すぎない倍音で、どちらかというとタイトな感じなのだ。
でもこれが乾いてくると、きっと適度な倍音を奏で始めるに違いない。
フィンガー向けには、短音がとても綺麗に紡ぎ出されるし、ハイフレットでの演奏製もバツグン。
何と言ってもこの弦髙の低さでもびびらない。
フレット打ち後のすりあわせをしていないというから、指板精度の高さを物語っている。
前回の13本目「Leafα」から、如何に見えない部分の精度が上がったか、美しさは見えない部分に潜んでいるのだ。
音量は十分に大きく、レスポンスも良い。
まだまだ羊の皮を被ったオオカミ。
これが1年後、10年後にはどんな楽器に成長するのか、今からとても楽しみである!
と、ここまで紹介してきた「ふるたギター」は、塾の先生が趣味で作っているギターだから販売をしていない。
御本人に売る気が無いから、もちろん定価も売価も無い。
「値段は?」とよく尋ねられるし、「欲しい」と仰る方もいらっしゃるが、申し訳ないが御了承戴きたい(^0^)b
さてここで、ライブ情報をお知らせしよう(^-^)v
4月21日(土)は、福岡県福津市「よっちゃん祭」で「KULO」の演奏が予定されている。
ただ残念ながら、心配していた前線の影響が雨と風をもたらしそうな雲行きである。
(降水確率は現在60%、1mmの小雨、風速5m)
屋外でのライブなので、テント下での演奏になるのであろうか。
いく分風もあるようなので、一時的であってもどうか止んで欲しいと願っている。
今回限りは、晴れ男はっちゃんの念力は効かないのかなあ(;´▽`A``
それとも、メガトン級の雨男・雨女が存在するのか‥‥。
しかし我々としては、どんな状況下でも精一杯演奏します!
是非風邪を引かないような格好で、暖かくしてお越し下さい。
今回は、D-45の持ちだしは止めとこうかな(;^_^A アセアセ…
2012年4月21日(土) KULO in よっちゃん祭 (津屋崎千軒・福津市) |
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ライブ会場でお待ちしています\(^o^)/
☆ここでお知らせ☆
はっちゃん公式ホームページ「はっちゃんナウ!」は、はっちゃんの最新情報満載!
例えば、「SCHEDULE」タブをクリックすると、はっちゃん関連のスケジュールを随時更新してますし、「DIARY」はネットライブの結果を書いてます。
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はっちゃんナウ!
http://8chan.desu.jp/
コメント
よっちゃん祭りのステージお疲れ様でした。
天候が悪くて残念でした。
できれば青空の下ライブを聞きたかったです。
またの機会にとっておきましょう。
それとふるたさんが出品する「次回の福岡で開催されるギターフェア」について詳しく教えてください。
見に行きたいと思います。
よろしく。
投稿: トッケン | 2012年4月22日 (日) 09時50分
トッケン先輩!
昨日は雨の中、寒いのに親子でお越しいただき有り難うございました!
感激でした!
それに、美味しいタイ焼きも有り難うございました。
KULOメンバーで戴きました♪
次回、津屋崎でのライブがあった際は、是非またお越し下さい。
その時は息子さんの好きな「KA-RA-A-GE」を準備しますね。
ふるたさんは、ギターフェアを目指して作っただけで、まだ出品出来るのかどうか分かりません。
時期は、来年3月位と聞いた気がします。
分かったらまたお知らせしますね(^-^)v
投稿: はっちゃん | 2012年4月22日 (日) 10時34分
古田さんのギター早く見たいです。
どんな音なんでしょう?
実際に見たはっちゃんがうらやましいです。
アコースティックギターマガジンに古田さんが掲載されるのを
夢見ています。
古田ギターほしいなぁ~~~~~~~~~( - ゛-)
投稿: sweetようこ | 2012年4月24日 (火) 23時43分
> ようこちゃん
そうでしょ、そうでしょ。
今回は特に良いギターだもんなあ、弾いてて気持ち良いよ(^-^)v
俺も欲しい~!
そのうち有名になるかもよ(○⌒∇⌒○)V
投稿: はっちゃん | 2012年4月26日 (木) 11時25分