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2010年6月 8日 (火)

ふるたギター「Leaf-3CW」大解剖♪

ふるたギターの最新作「Leaf-3CW 8chanスペシャル」の仕様についてお話しします。
興味のない方には意味のない事ですので、どうぞ遠慮無く読み飛ばして下さい(^_^;

Leaf0207_2【Leaf-3CW 8chanスペシャル仕様】

<サイド&バック材について>
さて、このギターで一番目を引くと思われるのが、サイド&バック材として採用した「イチイガシ」。
この材は元々、1999年に山間部の開発時に伐採された、樹齢150年は経ていたという大木。
ふるたさんが譲り受け、大まかにカット後に保管していたというから、11年程シーズニングされていたことになる。

Leaf0216ふるた工房には伐採された日付の入ったブロック材が多く積まれていて壮観だ!
これを厚さ約3mmの薄さに製材する作業も「ふるた工房」の中で行われるのだから、「お宅は製材所ですか?」と言いたくなる(^_^;
そもそも木工が趣味のふるたさん、大型の電動工具を持っていたから、大きな投資はせずにギター製作を始める事が出来た。

さて、「イチイガシ」の話に戻ろう。
杢目はまっすぐなのに、斜めの縞模様が入っていて、カールした髪の毛のように繊維に沿ってキラキラ輝くのだ。
じつは真っ直ぐに曲げようとしても、この木目に沿って斜めに捻れていくという、とてもやっかいな材でもある。
しかし、この自前の木の特徴を知っているふるたさんは、加工のノウハウを十分持っている。

ここで、イチイガシについて、更に掘り下げてみたいと思う(^-^)v

Ichii01_3[イチイガシ(一位樫)] ブナ科コナラ属アカガシ亜属。
英名:オーク(OAK)。
学名:Quercus Gilva (クエルカス・ジルバ) = 赤みがかった黄色(Gilva)のナラ(Quercus)の意。
ドングリやクヌギの仲間で、果には渋みがなく食用になる。
日本では、九州を中心に自生する常緑樹。

イチイガシについて(フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」へリンク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%82%B7

調べてみたところ、戦国の世、槍(やり)の柄はほとんど樫(カシ)で作られていた。
特にイチイガシは、樫類の中でも道管(細い管)が多くて太いため、軽くて、しかも弾力があり、「槍の柄」には最適だった。
「イチイ」という名前は、この木の大きさや材としての優秀さから、位階の「一位」を表していると言われている。

Leaf0215木質は粘り強く、通常はカンナの台、酒樽、船や艫(ろ)として使用される。
比重は芯部で「0.88」と、ローズウッドに近い程に重く固い。
音響的には、指先で叩いた感じは、弾力のある音で、ローズウッド程は固い音はしないがマホガニーよりも固いイメージ。

では、何故この材をあえて「Leaf-3」に使うのか?
一般的に楽器用としてはローズウッド等がポピュラーであり、ふるたさんもローズウッドをブロックで購入していた。
Leaf0209しかし、ふるたギター2号器のバック材に使用していたのを見て、この素敵な杢目と木質に魅力を感じたはっちゃん。
手持ち材が豊富なことも考えて、「是非ともサイド&バック一括で使ったらどうでしょうか?」と提案。
今回めでたく、3本のギター全てに採用することになった。

Leafphoto07アコギはそもそも、弦を振動させ、トップ材が振動する音を、比較的固くて重いサイド&バック材が反射し、空気ポンプのように音を前に送り出す仕組み。

だから、材と材のバランスは音作りに最も重要であり、音の大半はこれで決まると言っても過言ではない。

Leafphoto08世界広しといえども、「イチイガシ」をギター材に使用しているのは、おそらく「ふるた工房」のみであろう。
もし、イチイガシ+スプルースによる組み合わせが成功すれば、「ふるたギター」の特徴として定着することは間違いない。
だから、あえてこの材を使うことを提案した。

そして、センターピースには100年寝かせた明るい杢目のハカランダを使用。そのじつはHOLSの端材。

Leaf0211_2サイド&バックのバインディングには山桜、そして、黒/白のパーフリングを採用。
エンドピースは、ハカランダ。

エンドピン部分は、ピックアップ取付のために12mm径のストレート穴にした。

Leaf0210<トップ材>
シトカスプルース採用。
北米で算出する最もポピュラーなギター材で、C.F.Martin社はこの材を標準仕様にしている。
ふるたさんは、これをブロックで購入して、製材している。

Shell_2トップのパーフリングは、大和マーク社の細かいヘリンボーンを採用。
これに、木製ストライプ材を組み合わせ、「山桜バインディング+黒/白/黒+ヘリンボーン+黒/白/黒」とした。

ロゼッタは、アバロン貝の2重巻きと、着色木材の組み合わせを行った。
構成は、「黒/白/黒+アバロン+黒/白/青/白/赤/白/黒+アバロン+黒/白/黒」。

トップエンドには、黒蝶貝をアール付きの三角形に加工し、「黒/白/黒」のパーフリングで囲み、アイデンティティとした。

<ネック材>
Leaf0214これもまた1999年に産出した樹齢100年の山桜を、製材後11年寝かせてあった物。
通常、ネック材としてはマホガニー材が有名だが、山桜は手持ち材が豊富なことと、比重0.60とマホガニーに近いことで採用。

更に8chanスペシャルは、この桜と桜の間にインド産ローズウッド(紫檀)の薄板をサンドイッチしたスリーピース構造。
ネックの反りとねじれに対する強度を上げた。

ただ、この山桜もまたやっかいと聞く。
良く研いだカンナを使用しても、刃が立った杢目を引っかけることがあり、サックリと綺麗に削れないのだ。
だから、大まかに形を整えた後は、ひたすら鉄工ヤスリ(丸棒)で少しずつ形を整えていく。

<ネック構造>
Leaf0206指板下には順反り/逆反り双方向のトラスロッドが仕込まれている。
ネックはディープジョイント構造で深くボディに内に突出させ、ヒール部は2本のボルトによってボディとしっかり固定。
ボルト・オン・ネック・ジョイントとしている。
更に完成後、一定期間を経て木材がこなれた頃に、指板下とボディとを接着させる予定。

ヒールキャップには、白蝶貝と黒蝶貝を組み合わせて使用。

<指板材>(はっちゃん手持ち材)
Leafphoto16アフリカ黒檀(マグロと呼ばれる、今では珍しい真っ黒な材)を使用。
一般的な縞黒檀が比重0.85~1.0程度に対して、比重1.2と重い。
指板脇のバインディングは、山桜とエボニーである。

指板インレイは、12フレットには象牙と日本アワビ貝を組み合わせてリーフを形成。
その他のフレットには、4mm径の白蝶貝のドット、指板脇のマークには、2mm径の白蝶貝のドットを採用。

<駒材>(はっちゃん手持ち材)
Leaf0204濃緑色に鈍く光る貴重な東南アジア産の黒檀(エボニー)。
カンナを掛けると緑色の削りカスが出ることから「青黒檀」と呼ばれ、これを磨くと真っ黒になる。
一般的に使用されている縞黒檀が比重1.0程度なのに対し、比重1.4と非常に重い。

駒形状は、千鳥(チドリ)をイメージした。
目の部分のインレイは、目玉を白蝶貝で形成し、白目の部分には黒蝶貝を採用した。

<内部材>
Leaf0203定石通り、ブレーシングはトップと同じくシトカスプルースを採用。
音の分離と音の抜けを考慮し、全体的に背が高くて細め、鋭角にテーパーをかけたブレーシング形状にした。
トップブレーシング高さは通常15mm程が一般的だが、Xブレース中央部21mm、ここから16mmに斜めに落とした(ノンスキャロップ)を使っている。
バックブレーシングも高く、22mmを採用。
ブレーシング幅は、各7mm。

側板の割れ止めは、シトカスプルースをブレーシング形状に加工し、取り付けてある。

Soundhole内部のライニング(縁に沿ってギザギザに切れ込みが入れられたパーツ)には、手持ちの南洋材「メルサワ」。
ネックブロックには山桜を採用。

そして、内部全体をクリア塗装している。

<ヘッド>(はっちゃん手持ち材)
Leafphoto22ヘッド厚は、15.5mm。
表側の突き板は、はっちゃん手持ちのブビンガ(アフリカンローズウッドの縮み杢)&ハカランダ(HOLS端材)を使用した。
裏側の突き板は、ジリコテ(シャム柿)の濃色部を使用。
ヘッドバインディングは、山桜とハカランダの組み合わせ。

ヘッドインレイは、象牙とアバロン貝を組み合わせてリーフを形成。

Leafphoto17_2<ピックガード>(はっちゃん手持ち材)
ハカランダ材(HOLSの端材)を使った、実用新案「木の葉(リーフ)型」。
Leaf-3は、デザインを見直すことで、より洗練された形になった。

<糸巻き>
GOTOH 製ゴールドペグに、黒檀(エボニー)ノブを取り付けた。

<サイズ>
形状:スモールジャンボ・カッタウエイ
弦長:654mm
ナット幅:43.7mm
ネック厚:20.8mm(1フレット部)

Leafphoto26ボディ厚(上部):89.6mm
ボディ厚(中央最厚部):115.6mm
ボディ厚(下部):107.6mm
ヘッド角度:13.6度
ジョイント角度:0.6度
ボディ幅(上部):290mm
ボディ幅(くびれ部):240mm
ボディ幅(下部):400mm
ボディ長:505mm
ネックジョイント部~ヘッド先端:518mm
ギター長:1,023mm
サウンドホール径:100mm
トップ材厚:2.75mm
サイド材厚:2.1mm
バック材厚:2.4mm

Leaf0212‥‥というわけで、ここまで仕様について詳細に書いてきたが、所詮、「楽器の命は音」である。
まだ弦を張ってない段階で言えるのはここまで。

ここまでこだわり、手を掛けて来たのだから、きっと良い音になって出るに違いない‥‥なんて、希望的観測かもしれないが、「愛情を掛けただけ、モノにも魂は宿る!」と信じつつ、完成が待ち遠しい。

そして、完成した後も、調整を繰り返しながら、どんどん音が変化していく過程もまた、オリジナルギター製作の楽しみでもある♪

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コメント

はっちゃん こんにちは~♪

ギターのこと よく分らないけど、私も新しいギターが出来るのを
心待ちにしていますぅ

ふるたさんと はっちゃんの思いが いっぱい詰まったギター
私も待ち遠しいですぅ

んでね
以前 国見町の山神社に
特別保護樹木の『イチイガシ』を見に行ったことを思い出しました。
あの木が ギターになるんだなぁ・・・と
ちょっと 感慨深かったです (*^-^*)

投稿: のんちゃん | 2010年6月 9日 (水) 16時49分

> のんちゃん

そうそう、よく神社に植えられているのが、この「イチイガシ」。
神聖な木として、何百年も経ているものが多いよ。

これからは、木を見る目も変わるね(^0^)b

投稿: はっちゃん | 2010年6月10日 (木) 16時50分

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