日高ギター「Sound of Heaven」♪
大分在住のギター友「Charley」さんがオーダーした日高ギターが今年7月末に完成し、8月の中津の音楽イベント「アコサミ30th」に御招待した際に持ってきてくれた。 アコサミ関連記事:
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今回は、改めてその素晴らしい仕上がりの日高ギター「Sound of Heaven」にスポットを当てさせて戴く。
さて、Charleyさんはその名の通りCharの大ファンであり、早い時期からHPを通じて、全国にCharファンのネットワークを持っていて、今年「BAHO」を大分に呼ぶ原動力になった。
Charサウンド研究室:
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また、Charleyさんは、根っからの「GARO」ファンとしても知られている。
今までにない斬新なギターサウンドと、素晴らしいコーラスで70年代を輝かせてくれた「GARO」。 そのGAROの愛したギターが、世界最高のギターと称される「Martin D-45」。
当時大学卒の初任給が数万円の時代に、D-45は「80万円」もしたのである。
今で言うところの200~300万円と言ったところであろうか。
その高額なギターを、なんと、GAROメンバー3名全てが持ってテレビに登場し、聴衆を驚かせた事もあった。
話を戻すが、戦前に開発された「D-45」、戦中の物資不足で一旦生産中止となり、戦後、市場の要望で再生産を始めたのが68年。
69年まで戦前と同じハカランダ(ブラジリアンローズウッド)のサイド・バックが使用された為、この時期のD-45は現在500万円前後の価格が付いており、論外の高嶺の花である。
さて、このハカランダD-45は別格としても、70年代前半(70年~74年)のD-45は、最高級のハカランダに負けない超最高級品質の「インディアンローズウッド」を使用し、トップは貴重な「ジャーマンスプルース」、最高の職人の丁寧な造りと、ノンスキャロップブレーシング構造とも相まって、数十年を経た今、ソリッドで暖かみのある音を醸しだし、非常に貴重とされている。
そもそもなぜ、74年に大幅な仕様変更がなされたのであろうか?
それは73~74年に掛けての、第1次オイルショックによる大幅な物価高の煽りを受けてのコストダウンに寄るところが大きい。
さて、GAROのマークが弾いていたギターの音、それはこの70年代前半のジャーマンスプルースD-45の音。
それが耳の奥底に残り、いつかこの香りのするギターが欲しいと念じていたCharleyさん。
今回ギター製作を依頼するに当たり、その憧れの音の再現と、Charleyさんの激スゴのギターワークの為のプレイアビリティの実現という難題を、日高さんに託したのであった。 日高ギター「Sound of Heaven」の形状は、「D-45」とは全く異質であり、共通点さえ見つからない。
ミドルジャンボボディに、なだらかに肩を落としたカッタウエイ。
低音側のボディ厚を、高音側に比べて薄く造った日高氏オリジナルの非対称ボディで、低音の余分な鳴りを押さえた。
ヘッドは、日高氏特有の先端を若干絞った形状。
ブリッジも独特な形状であり、各部の造りに一切の妥協はない。
ヘッドは真っ黒のエボニーのつき板。 そこに刻まれた、日高氏の「M」のロゴから伸びる「Sound of Heaven」のバナーインレイ。
指板のインレイは無く、真っ黒のエボニーがすごみを醸しだし、唯一、指板エンドに、「誕生日月」(おそらく御家族それぞれの)を刻んだ星座マークが刻まれているあたりが心憎い。
ボディ周りのアバロンインレイと掟破りの二重巻きアバロンロゼッタに、若干D-45の臭いをかぐ事が出来る。
しかし、材にはこだわりがある。 70年前半と同じく、トップは「ジャーマンスプルース」、そしてサイド・バックは「ハカランダか?」と見まごう程の見事な「インディアンローズウッド」である。
本当に各部とも素晴らしく良い材が使われている!
詳しくは、Charleyさんのブログ「Today Is The Day」を参照されたし。
日高ギター「Sound of Heaven」製作日記:
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さて、ライブ当日僕が弾かせて戴いたその音は、まさに新品の「D-45」そのもの。
しかも、最近のD-45とは違い、しっかり音が締まっていて、堅めでキラキラの音。
きっと、当時のD-45はこういう透明な音がしていたに違いない。
おそらく数年後には、それはそれは素晴らしい音色で楽しませてくれるはずである。 僕の「HOLS」とは全く異質な鳴り(僕のはマーク・ホワイトブック仕様ブレーシング)であり、ユーザーの好みで、こういう極端な音分けまで見事にこなす日高氏とはいったい何者?と思わざるを得ない。
日高ギター「HOLS」製作日記:
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さて、下記「オールマンギター」のサイトで、日高氏と日高ギターが詳しく紹介されている。
日高氏の細かい手仕事と、そのギターの素晴らしい音色を動画で楽しむ事が出来るので是非御覧頂きたい。
オールマンギター:
http://この中ではタフな「男のギター」と紹介されているが、僕は一概にはそうは思わない。
彼は心地よい音を追求するために生まれた職人なのだ。
だから、彼のギターの音は、その都度目指す音と、そして客の好みと良い意味で融合し、千変万化する。
完成した「Sound of Heaven = 天国の音色」。
それは、きっとCharleyさんと、演奏を楽しむ僕らをも、清々しい天国に連れて行ってくれるに違いない。
皆さんも、もしどこかで日高ギターを見かけたなら、是非手にとってその天国を楽しんで戴きたい。
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