北原人形芝居
我が大分県中津市には、古くは鎌倉時代より伝承されている大分県指定無形民俗文化財の人形浄瑠璃「北原(きたばる)人形芝居」があります。
皆様が御存じの人形浄瑠璃では、通常3人が1体の人形を操る「三人遣い」(主遣いが人形の首と右手を操り、左遣いが左手を、足遣いが足をそれぞれ操作する)で演じられますが、人形を1人で操る「挟み遣い」(※はさみづかいは、自らの足の指で人形のかかとを挟み、1人で人形の全ての動作を操る手法)は、全国広しと言えども、ここ北原人形にしか無い独自の技です。
さて、何故「アコギの楽園」で、伝統芸能の人形芝居を御紹介するに至ったかと言うと、じつは我々のバンド「Kulo」のベーシストのカドちゃんは、北原人形芝居の継承者だからなのです。
カドちゃんは、人形芝居最後の継承者であったお祖父様の葬儀がきっかけで、古来より自らの家系に脈々と伝承される「北原人形」に目覚め、その2年後、奉納会に入り三味線の稽古から開始。
やがて三人遣いの足遣いに加わり、その後、伝承者の途絶えた「挟み遣い」の復活に打ち込んできました。
しかし、その伝統の技を伝える名人と言われた方々は、既にこの世を去り、僅かに残された記録ビデオを頼りに手探りで打ち込む修練には、ほとほと行き詰まってしまったそうです。
そこで、名人のお墓を探して掃除したり、人形と寝てみたり、神社で一人寒稽古をしたり、試行錯誤の日々を経て、ようやく2001年の復活上演に漕ぎ着けた事を聞きました。
(※左の写真は病院の慰問にて、カドちゃんが挟み遣いで演じる僧安珍。真剣な眼差しが気迫を放っています)
私たちは、人形芝居を熱く語る彼の話しぶりに、伝統芸能を復活させた男の「自負」と、それを守り、後世に伝えようとする「責任と誇り」を感じるのです。
彼は本来、楽しく心優しい男であり、共にバンド演奏する時の笑顔とは打って変わり、人形芝居に取り組む時のあの「殺気をも感じる真剣な姿」に、私たちは圧倒される事があります。
彼は「絵」にもその才能の片鱗を見せ、独自に編み出した手法による絵を展示する 「二人展」等も催しているそうです。(※右の写真はカドちゃんが描いたイラスト。何の絵でしょう?当たったらエライ!)
そう、「音楽もひとつの芸術」ですから、「Kuloの音楽」も彼の自己表現の一つ。
これからの「Kulo」のサウンドに欠かせない存在となるはずの、カドちゃんの新たなる挑戦に、皆様の暖かいエールを御願いします。
さて、味のある三味線の音色と、軽快かつ迫力ある語り手の口調に合わせ、悲恋有り、笑い有りの大いに楽しめる「北原人形芝居」。
この度、この「北原人形芝居」が、全国の民俗芸能の中から一番乗りで選ばれて、東京の劇場にて上演される運びとなり、カドちゃんは今週東京へと旅立ちます。
今回は古いフィルムに残された北原人形のドキュメンタリー映画 「土の中の人形」上映会。そしてその技を復活し、伝承するカドちゃんの芝居を直接東京の舞台で見る事が出来ます。
もし、東京にお住まいの方で、伝統芸能に興味ある方がおられたら、是非新宿までお運び下さいませ。
※お陰様で、東京公演は、立ち見も出る程の盛況のうちに幕を閉じたそうです。
この講演の模様は、NHK大分にてニュース映像になり、また「北原人形芝居」の特集も組まれてNHKで放送されました。
現在カドちゃんは、大学の講師も依頼される程の引っ張りだこの大忙しだけど、たまには、ライブも一緒に出来たら良いね。
プークシネマ館 フィルムでみる名人芸 映画「土の中の人形」 昭和40年度芸術祭に北原(きたばる)人形芝居が参加する経緯を記録したドキュメント映画。 |
日時:2007年9月8日(土)14:00~14:30 新宿南口 プーク人形劇場(JR 新宿駅から徒歩7分) 入場料:無料 |
日本ウニマ・日本人形劇人協会40周年企画 ☆プーク人形劇場伝統人形芝居シリーズ☆ 「伝統人形芝居は今!」 北原人形芝居 実演とお話。 日本は人形芝居の宝庫。全国各地にそれはもう多種多様の人形芝居があるのです。 三人遣いの人形浄瑠璃ばかりが伝統人形芝居と思ったら大間違い。あなたの知らなかった人形芝居がここにある・・・! |
日時:2007年9月8日(土)15:00~16:30 新宿南口 プーク人形劇場(JR新宿駅から徒歩7分) 入場料: 前売2700円 当日3000円 |
お問い合せ及び申込: プーク人形劇場
TEL: 03-3379-0234 ホームページ: http://www.puk.jp/
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<北原人形芝居資料>
北原人形芝居は、古典芸術、また民俗資料として、その価値は高いものとして、昭和三十二年に大分県の無形民俗文化財に指定された。その起源は古く、七百年をさかのぼると伝えられている。伝説では、鎌倉時代最明寺入道時頼が諸国巡歴の途次、中津市大字湯屋に於いて、大熱の病にかかり生死が危ぶまれた時に、大貞薦神社の陰陽師で、北原に住む阿部大内蔵が加持祈祷に努め、北原の村人達もあれこれと心を傾けて看護に尽くしたため、時頼も程なく全快を見るに至った。そのお礼参りと祝賀の行事が、北原柿山の大師堂でとり行われ、その余興に人形芝居が演じられた。
「人形に命吹き込む万年願」 OAB大分朝日放送
http://www.city-nakatsu.jp/catch/H18-2/index2.html
「北原人形御紹介」 中津市ホームページリンク
http://www.city-nakatsu.jp/modules/kankou/index.php?id=6
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コメント
はっちゃん こんばんは。迷子の五十路が ここに迷い込んで
おじゃましております。 ご縁の不思議は カドさんとの出会いです。今年の1月 父が他界しました。病院の迎えから 通夜葬儀までを担当していただきました。 少し落ち着いたころ息子から 人形芝居の件を聞きました。1年間は お宮さんの参拝をしないでいようと思っていて なので 北原人形芝居はまだ拝見したことがないのです。別府のヒッパレで 相席していただいた ちょ子の千絵さんのご両親も 来年はぜひということでした。NOASからの出会いが ひろがっていきます。
( 七月には 仲間四人で 博堂村行き 計画中です )
投稿: おっとっと | 2008年6月18日 (水) 22時28分
そうだったのですか。
色んな方面からの御縁があり、世の中とはかくに不思議なものよと、つくづく感じる事があります。
是非、博堂村へお越しになって下さい。
気の良い仲間達が集う、とっても暖かい場所です。
さて、話は変わりますが、今週土曜日の「ダテフラワー」ライブ、是非ともお越しになって下さいませ~\(^_^)/
カドちゃんも居るしね!
投稿: はっちゃん | 2008年6月18日 (水) 23時24分