日高ギター製作④飽和
<完全なるオリジナルギター>
その後、オリジナルギターの製作案について、自分なりに想像を巡らせていました。
その根底にあるのは「せっかく作るのだから、何処にもない(誰も今まで作った事がない)完全なるオリジナルギター」という考え。
ということで、私はコンピュータで、作画ソフトを使ってデザイン画を描き始めました。
★御注意★ ここで決して誤解して欲しくない事があります。
通常、ギターをオーダーする場合、私のように自分でデザインを考えたりはしないものですし、ギター製作者も中々ここまで受け入れてはくれないと思います。(受け入れてくれたとしても、かなり高額になると思われます)
普通は、ギター製作家に全てお任せした方が、良い物が出来る場合が多いと思います。
あくまで、私は特殊な人間である事を、あらかじめ御理解下さい。
さて、話を元に戻しますと、大分県はやっぱり「かぼす」をテーマに‥‥とか「桜の花」が好きだ‥とか、スケールは大きく「世界地図」とか‥様々なアイデアを考える毎に、そのデザイン化を図ってみる私でした。
そのうち「空飛ぶピラミッド(Flying Pyramid)」案が自分の中で浮上し、かなりの枚数のデザインを書きました。
そう言えば、私は子供の頃から古代ピラミッドの神秘性に興味がありました。
あんな不思議な構造物はきっと、古代人と交信していた宇宙人と関係があるにちがいない‥‥なんてね。
そのピラミッドが、広大な宇宙空間を飛ぶなんて素敵な光景だと思ったのです。
ヘッドデザインは、丸い地球と宇宙の間で飛ぶピラミッド。まるで「希望への箱船」のように・・・。そこには下弦の月がぽっかり浮かんでいる・・・。
12フレット上のインレイは月と太陽、それに挟まれた形で、まるで象形文字か梵字のように浮かび上がる日高氏のイニシャル「M.h」。
そういうやりとりを繰り返し、繰り返し、都度日高氏にはメールや電話で相談してデザインを描いて行きました‥‥しかし、考えれば考える程、そのコンセプトは次第に煮詰まって行きました。
私は「このコンセプト・デザインではダメだ、納得出来ない!」と思い始めました。
だって、私の頭の中は考えすぎて既に飽和状態‥‥。
これでは良いギターは作れない‥‥まずは頭を冷やしてからにしなきゃ。
そして、カオルギターのリペアが出来上がる頃には、私の中にある考えが芽生えてきました。
それは‥‥。
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2006年2月18日:
日高氏にリペア依頼した「Kaoru Heaven」が仕上がり、引き取りに行った際、私は日高氏にこの事を相談し、「ギター製作の当面の凍結」を決定したのです。
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