日高ギター製作⑦艶々
7月初旬に訪問した後、約3週間が経過しました。
この頃になると、ネックの製作に掛かります。
2007年7月28日:
そこで、「Kaoru Heaven」の握りを正確に再現してもらう為には、ギターそのものを預ける必要があり、工房へ訪問したのは、真夏の日差しが照りつける暑い日の事でした。
大分市への移動中、「Heaven」は車の荷台でぐったりとして、念のためエアコンをガンガン掛けていましたが、到着まで何事もないか心配でした。しかし、何とか大丈夫だったようです。
さて、新しい我が息子「Hols」は変身しているでしょうか。
<ボディ第一次塗装完了>
Holsは、ボディの第一次塗装が完了していました。前回は塗装前でつや消し状態だったのが、今回は艶々だあ。ハカランダの木目がなんて綺麗なんだろう。
一般的には柾目が良いと言うけれど、やっぱりハカランダは板目で存在感が発揮されるよなあ。
オリジナルデザインのサウンドホール・ロゼッタは塗装で艶が出て綺麗!「これは押し出しの強い外観が出来てきたなあ~」という印象。全体が組み上がった時には、どんな感じになるのでしょうね。
ネック材は、今では稀少なホンジュラスマホガニーの完璧な柾目材を選定して戴いたとの事です。
日高氏は「もう、これからはこのような良い柾目材は入手不可能です」と強調されて おられたのが印象的でした。
確かにマホガニーは現在、C.F.Martin社でも使えなくなって「ハードウッド」と名前を変えた「ナトー材」等が使われている程の稀少材。本当に感謝です。
残念な事ですが、良質の材は段々とこの地上から消えて行く事でしょう。勿論そうならないように材を消費する我々一人一人が、自然環境、地球環境の保全に真剣に取り組む必要があると考えます。
しかし、どう考えたって、こういう時代の流れの中で出来るだけ良質なギター作りを希望するなら、早めの取りかかりが良いと思う今日この頃です。
このネックの中に、グラファイト(カーボン)と、スクエアロッドが仕込まれ、とても頑丈な印象。
今は荒削りですが、これから段々とネック本来の形になっていく事でしょうね。
そして、ここで初めて知った事があります。
日高氏は昔、トヨタ自動車のモデリング部門に勤めていたそうです。そこで自動車デザインのモデリング(粘土で自動車の成形)を行っていたらしいのです。
昔の職業柄、人形のモデリング(塗装の勉強)や、シルバーアクセサリ製作(インレイの勉強)を趣味とされているとの事。
まあ、このように細かく繊細で、とかくセンスが必要な製作物を拝見すると、ギター製作のインレイや塗装等に充分生かされていると考えて良いですね。
写真の「M」のシルバーアクセは日高氏のロゴマークですが、日高氏の提案で、この銀細工を、「Hols」のヘッドロゴにしてもらう事がこの場で決定したのでした。
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コメント
「アコギの楽園」スタートおめでとー!!!
はっちゃんのギターへの想いがバシバシ伝わりますねぇ!
そうですねえ、材もいいものは少なくなってますからネエ・・・。まあ、ギターは材だけじゃないんですけど、ある程度のレベルの素材じゃないと作り手がどんなに素晴らしくてもキビシイですもんねえ。
私も高校時代に買ったギターがハカランダ(合板なんですが)サイド・バックなんですが、見た目がカッコいい!!音も合板ながら30年も弾き続けていると、キラキラ感がでています。
日高ギターのハカランダ・・・。うーん、とっても完成が楽しみです!!!
投稿: クロどす。 | 2007年8月20日 (月) 10時33分
クロさん
ありがとうございます。
これからも「アコラク」かわいがってやって下さい。
ブログというメディアは初めてでして、まだまだ手探り状態ですが応援して下さいね。
よろしくお願いします。
投稿: はっちゃん | 2007年8月20日 (月) 17時06分