<ネックが出来た!>
2007年8月12日:
ネックの握りが完成、第一次塗装も完了したと連絡を受けたので、預けておいた「Kaoru Heaven」を引き取る為に、約2週間ぶりに工房を訪問する事にしました。
前日の山ちゃんの結婚パーティーの写真を届ける為に、出発前にプレイヤー楽器に寄ったところ、ベースのカドちゃんが暇そうにしていたので、「一緒に日高さんとこ行かない?」って、結局乗っけて行きました。彼にとって日高氏の工房は初めての訪問です。
当日も中々の天気、大分市への道程、カドちゃんと二人の車中、新曲の打ち合わせを行いながらボチボチと向かいました。
さてさて、「Hols」はと言うと、一層綺麗♪になっていました。
今回、ネックの握りが完成し、第一次塗装が完了。そしてボディは第二次塗装を完了していました。
ネックが出来てる!すっげ~!
どれどれ‥‥握りを確かめようとすると、日高氏が「まだ塗装したばかりなので、大丈夫だとは思いますが強く握らないで下さい」と‥‥。
了解~!そっと握ってみました。
ウ~ム、良い感じではないか!「Heaven」の握りと全く同じと言って良い!ピタッと手に吸い付く様にしっくり来る感じ!
それにネックにも塗装が施されて、キラキラしてる!
ネックの裏側の姿も風格があって、とっても良いじゃないかあ。
ボディは‥‥と言うと、2回の塗装を経て、艶が増し、これがまた美しい!
ヘッドデザインも指定したとおり‥‥すごくカッコイイ!
このヘッドのロゴマークは、そもそもアバロン貝だったのが、前回の打ち合わせで「銀細工」を取り付ける事になりました。
今回初めて、出来上がったヘッドに実際にロゴを置いてみると、ヘッドの面積に比べてロゴマークが一回り大きい印象。やっぱり派手に見えるけど、大丈夫かなあ。やっぱり止めようかなあ。
(上の写真を見て戴ければ、日高氏が私のデザインを忠実に再現してくれている事がはっきりと見て取れる)
そこで登場したのが、ベースのカドちゃん。「これはこれで、とっても良いよ!オレ好きだなあ」という、何とも率直なお言葉♪
日高氏の意見としては、「充分このレイアウトでデザインになってるし、銀細工がなくても良いのではないか」と仰っておられましたが、僕はやはり、ここに日高ロゴが欲しいのです。
そこで日高氏曰く‥‥「今はこの銀細工はピカピカで派手かも知れませんが、そもそも銀は錆びて黒ずんでから渋くなります。何なら、もう少し渋く表面を仕上げますよ。今まで銀細工(純銀)をロゴにしているギターは無いですもんね」って。
ム~確かにそう言われればそうだ‥‥銀細工のロゴに決定~♪
ネックヒールの形状も設計時に指定したとおりに仕上げてくれました。
コンパクトに、また傾斜を付けて弾きやすさを追求しました。
しかし、実際弾いてみてどうなのかは定かではないで、強度を少々犠牲にしても形状変更する必要があったのかどうか‥‥これは一種の賭かなあ。
日高氏より「ここにサインしませんか?」と言われ、このネックヒール部分に「Hols」の名前と自らの名前をサインしました。
ネックとボディを組み合わせれば見えなくなるので、将来ネックリセットするような時にしか拝めないサイン。もう一生見る事ないかもね。
と言うわけで、想像通り‥‥というよりも想像以上の仕上がりに、ただただ、言葉もない私でした♪
さて、私は今回のギター製作を通じて、ただの板切れからこんな素敵な楽器に生まれ変われる「木の神秘さ」をつくづく感じました。
例えば、ギターに使用される多くの木は、100年以上を掛けて深い森に育ち、森と水を守り、そして幾多の生命を育みながら、多くの場合、最後には人の手によって伐採される事で1度目の命を終えます。
その後、木材として家具や建築物、そして楽器へと生まれ変わる2度目の命では、更に数百年をも生き抜く事が出来る「全く不思議な生命体」‥‥もしかして実際の地球の主は我々人間ではなく、「植物達」ではないだろうか‥‥ふと、そんな風に考えてしまいました。
でもそこに介在し、木の寿命を永遠たらしめるのは、「人間の英知と技術と愛情」である事は、言うまでもない事です。
さて、我々人間が今後どのようにして、この危うい自然を守り、共存して行くのか、責任の重大さをひしひしと感じるのです。
こうして、構想から1年半以上を費やし、コンセプト策定、デザイン、材料の選定と入手と、長かったこのオーダーまでの時間的経過‥‥そして具体的に図面通りの材が使用され、組み上げられて、ようやく私と日高氏の血と汗のコラボレーションギター「Hols」として、ここに出現したのでした。
兎にも角にも「嬉しい!」の一言!本当に感無量!
(※上の写真は工房風景:大事なカンナとノミがぎっしり。知る人ぞ知るという工具らしい‥‥)
今後の予定は、鼈甲ピックガードをボディに貼り付け、その上から3回目の塗装を施すとの事。
完成は、9月上旬予定だそうで、本当に待ち遠しいものです。
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2007年8月28日:
再度日高氏と連絡を取りましたので、その後の製作状況について追記します。
①塗装は、ボディ・ネック共に、全て完了したそうです。
②ピックガードは2回目の塗装後に、取り付け完了し、その上から3度目の塗装を施したそうです。
③今週、ネックをボディに取り付けた後、指板インレイ加工を行い、今週末頃に完成。
その後、弦を張り1週間程置き、ボディの変化を観察するそうです。
そして、問題なければ、引き渡しは来週末(9/8頃)の予定だそうです。
現在、自分を追い込んで製作しているそうで、一旦集中が途切れたら集中力を再度高めるのには時間が掛かるらしく、私の訪問は丁重にお断わり戴きました。
早く見たいよ~♪
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2007年8月31日:
今日は金曜日。明日はお休みなのに何故か気持ちが今一歩です。
それは、きっと日高ギター「Hols」に会いに行けないからです。
昨夜、日高氏と電話で話したら、今週末の訪問について、またもやんわりとお断り戴きました。
今、指板のインレイ加工作業の真っ最中らしいのです。
羽根のインレイの切り出しが数枚終わったところ‥‥とのこと。
そして、私の「幾何学的☆」と、日高氏推薦の「リアル調☆」のどちらがこのギターに合うのか?って議論になって‥‥日高氏は「はっちゃんのデザインの方がバランス良さそう」って言ってくれたんだけど、結局は全部のインレイを並べてみてバランス見ないと分からないし、最終判断は日高氏にお任せする事にしました。
「今週末、インレイ作業の手伝いに行きますから見せて!」って言ったんだけど「やっぱり自分でやりますから、来週出来上がったら来て下さいよ」って。
それはそれで、言ってる事は良く分かるんだけど、僕の気持ちも煮え切らないのですよ~♪
一目でいいから見せて欲しいのにな~、日高さん。
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